痛みとサヨナラ


同級生が亡くなった。スキルス性の胃ガンだった。
別の箇所のガンが治った後に、発症。いろんな場所に転移し、余命数ヶ月と言われながら3年以上も頑張った。
数年前に会ったのが最後。最近は、彼女が綴るブログで痛みとの闘いを知ることしか出なかったが、その痛みというのは私が想像できうる最大の痛みを超える痛みのようだった。体にナイフを刺されたまま放置されいるような痛み。稲妻が走るような痛み。読んでいて切なくなるブログだったが、それでも彼女は正直に書き残したい、と痛みで眠れない夜中にたくさんのことを記録してくれた。


ガンのことをよく理解していなかった私は、彼女のブログを読んで、知らない薬や副作用、治療方法など、様々なことを自分なりに調べて記録してきた。彼女がブログを続けることの意味を、自分なりに汲み取りたいと思ってきた。
同じ病気の人にしか理解できない、と度々発する彼女と次に会えた時、たくさん話したかったから。通訳なしで会話ができるように、スラスラとガンについて語りたかったから。


今はもう、それは叶わない。でも、彼女のおかげで知ることができたガンの知識は、私の中でこれからも枝葉を伸ばしていくだろう。
痛みのない世界で、ゆっくり休んでね。ありがとう。