うなりやベベン


うなりやベベンをご存じだろうか。 Eテレのキッズ番組 「にほんごであそぼ」 の登場人物で、浪曲師の国本武晴さんが扮し、三味線を弾きながら歌ったり紙芝居をしたりするキャラクターだ。その国本さんが先月、55歳で亡くなった。


ベベンと共演した松元ヒロさんが、一昨日の落語会で、こんな話をしてくれた。


年明けから、うなりやベベンと共演した歌が放送されている。本人は亡くなったが、放送してください、という家族の意向だそうだ。
以前、テレビに映ったベベンを観ていた国本さんのお子さんが 「あ、お父さんだ!」 と言ったことがあった。国本さんは 「違うよ、この人は 『うなりやべべん』 だよ」 と言ったそうだ。子供の夢を壊さないように。
うなりやベベンは、テレビの中で生きている。



ご自身が作った歌のとおり、優しい人だったんだなぁ。


お腹の底から笑いたい
大きな夢を叶えたい
みんなの期待にこたえたい
だけどたまには甘えたい


『ベベンのたいづくし』 。賑やかで楽しい歌なのに、とても寂しい気持ちになる。
浪曲の枠にとらわれず、いろんなジャンルにチャレンジされていた国本さん。まだまだやりたいことがあっただろうに、残念でならない。
ベベンは今朝も、元気に歌っていた。