この3ヶ月の出来事

それは3月の終わり頃。 「ちょっと体調が悪いかなぁ。でも、繁忙期だからだよなぁ。相方ちゃんが4月末で退職するから寂しいんだよ、きっと」 。そんなことを考える毎日だった。
そしてその日、会社に着いてから最初にトイレに行ったお昼前。トイレの水を流そうとしたところ、便器の中が赤かった。血尿だった。赤く染まった便器をのぞきながら、急に体がだるくなった。視覚に訴えるって、すごい効果らしい。
上司に説明し、繁忙期の真っ只中だが早退させてもらった。ちょうど、マイドクターの診察がある曜日だったので、そのまま掛かりつけの病院へ行った。


マイドクターは、私が病院に到着する少し前に病院を出ていた。電話で予約しておけばよかった。。。
そのまま帰るわけにもいかず、総合診断をしてくれる初めてのドクターに診てもらった。血尿だと腎臓か泌尿器か、その辺りが悪いのかもしれないね。そう言われて受けた血液検査の結果を見てドクターが 「これは腎臓かもしれないよ。暫く入院しないといけないかもしれないね」 「暫くって、ひと月とかですか」 「いや、半年とか一年とか、そういう単位だね。トイレ以外は動いちゃいけない生活だね。いろいろ検査も診察も必要だから、通ってね」
病気が判明しないままに悪いことばかり言われ、生活はどうしよう、仕事はどうしよう、お金は大丈夫だろうか、など頭のてっぺんから煙が出てくるようだった。


とりあえず諸々の科の検査予約をし、仕事をしながら病院へ通う日々。仕事の相方ちゃんとは4月末までしか一緒に居られないのに、仕事を任せて私が休む日が増えた。
自分にもイライラするし、申し訳ない気持ちでいっぱいになるし、心からも煙が出てくるようだった。


諸々の検査を行い、腎臓も泌尿器も問題がなさそうだ、との診断。
その結果を聞いている診察のとき、ふと 「そういえば、時々心臓が痛いんですよ」 という話をした。寒いからみんながそうなるんだ、と思っていたが、ふと漏らしたその言葉にドクターが反応。 「血尿より、そっちの方が大変だよ!」 と。父は狭心症、母も心臓にペースメーカーを入れていることから、私も年齢とは関係なく心臓病のリスクは高いそうだ。
その場で半ば強引にカテーテル検査の予約を入れられ、2泊3日の検査入院。このことは心配性のお母さんには言えず、都内の親戚にだけ説明し、入院の保証人になってもらった。心配性のお母さんには絶対に内緒にしよう、と約束して。


立会人ナシでひとりで検査を受けたので、結果は検査直後に手術室脇で自ら聞いた。結果はガッカリするものだった。
心臓には冠動脈が3本あるが、そのうちの2本、それぞれに何ヶ所か血管が細くなっているところがあるとのこと。 「この年齢でこの状態は…」 とドクター。心臓病界では、私の年齢は若者になるらしい。早めにステントを入れましょう、との診断だった。
ステントを入れるためには、血液をサラサラにする薬を飲む必要がある。そのためには胃腸に問題がないことが条件だということで、胃と大腸の内視鏡検査を実施。どちらにもポリープがあり、大腸の方はその場で切除をして1泊入院となった。4月に2回も入院。プラス数日に一度の病院通い。相方ちゃん、ホントごめん!



そこから血液サラサラ以外にも諸々の薬を処方され、いよいよ今日からまた入院。治療自体は明日、行う予定。
さすがに今回はふたりの叔父ちゃんに立会をしてもらうことにしているが、やっぱりお母さんには言えないまま。3泊4日で退院できるそうだから、言わなくても大丈夫だろう。お母さんも心臓の検査が近いみたいだし。
前回のカテーテル検査では、造影剤が投与される毎に吐き気が酷くて大変だった。ドクターに話したところ、今回はそうならない薬を使ってくれるらしい。手術台の上から、念押しして言ってみよう。ホントにつらいんだもの。
さらに前回の検査後は腕の内出血が酷く、肘から肩まで濃い紫色が何日も取れなくて、心配になった。今回は手首から入れるらしいから、右腕全部が紫色になったら嫌だなぁ。夏なのに半袖が着られなくなるよ。手首の血管が細くて入らなかったら、足の付け根から入れるらしい。それはもっと嫌だなぁ。


あと数時間後には、病院のベッドの上。もう、まな板の上、と諦めてドクターにお任せしよう。
あっちこっちお出掛けしたり、テクテクお散歩したり、普通の生活が待っている…ハズ。がんばるべ。