渋谷アンカレッジ

仕事で疲れると、渋谷の喫茶店「アンカレッジ」に行きたくなる。
まさに今日がそういう心境。


渋谷駅からセンター街を真直ぐ抜け、突き当たりにある喫茶店。初めて行ってから何年経つだろう。
知らないと入りづらそうなゴージャスな店内で、初めて入った時はメニュー価格を見るまでドキドキしたのを覚えている。
いちばん直近で行った日は、コーヒーセットを頼んだ。

ここは、お客さんを放置してくれるので有り難い。なので、複数ではなく、ひとりで来るお客さん率が高い。
本を読んだり、書類を書いたり、ボーっとしたり。
店の中央には大テーブルがあるが、集団用というよりもひとりで来た人がポツリポツリと静かに座っていることが多い。
ひとりでこの空間に埋もれている時間が大好きなので、友達と一緒の時は、この店には入らない。


アンカレッジでは、店員さんはオーダーを取らない。水とおしぼりをテーブルに置くと「オーダーは電話でお願いします」と言われる。
各テーブル脇には内線電話があり、それでオーダーを通すようになっている。徹底的にお客さんを放置してくれる心遣いが嬉しい。
とはいえ、それほど広くないお店なので、オーダーを受けている声が受話器と反対側の耳に入ってくる。これもまた楽しい。

センター外の喧騒を通り抜け、ここに辿り着いた時の安堵感。その安堵感が欲しくて、用事もないのに渋谷へ出掛けてしまう。


●アンカレッジ 東京都渋谷区宇田川町35-4 オークビレッジ1F TEL03-3461-4674 月〜金10:00〜19:30 土・日・祝11:30〜19:30