懐かしい感覚

私にはまだ、乳歯が１本ある。
結構イイ大人なんだけど。
根がしっかりしているということで、乳歯に大人の歯の大きさの被せモノをしている。
レントゲンを撮っても、そこには永久歯は存在しておらず、どうやら大人の歯が１本足りなかったようだ。
いつもあと一歩が足りない自分の人生を象徴している。

ひと月ほど前から乳歯に被せた外側の歯モドキが若干落ちてきており、乳歯の根本が見えている。
かなりヤバい。
グラグラ感もあり、不安定な状態。
歯磨きをしていてもグラグラ、食べ物を噛んでもグラグラ、歯をくいしばってもグラグラ。
仕事中はつい舌で触り、わざとグラグラさせてしまう。

この感じは乳歯が大人の歯に生え変わる頃に似ていて、どこか懐かしい。
そういえば、抜けそうで抜けない乳歯を、よく舌で触ってたなぁ。
痛いのが分かっていながら指でわざとグラグラさせてみたり、力をこめて根元のミリミリする感じを楽しんだり。
大人になってから、この感覚を味わうなんて思ってもみなかった。
けっこう楽しくて、イタ気持ち良い。
歯医者に行けばガバッと外側を外され、乳歯をミィーン！と治療され、またガバッと外側に被せて終了
となるのだろうが、このグラグラ感をもう少し楽しみたいので、歯医者に行くのは様子見にしておこう。

そのうち被せたものが落ちて、食べ物と一緒に飲み込んだりして。。。