池上本門寺の桜

一日一桜を実行する日々。値段が高くて痛くて副作用がたっぷりの体にも心にも悪い注射を打った昨日、フラフラになりながらも桜を求める病院帰り。体調不良につき遠出ができないため、大森駅西口前から蒲田駅行きのバスに乗って数分、本門寺前バス停で降りて池上本門寺へ向かった。


バスを下り、この立派な総門を目指してまっすぐ伸びている道を歩いてい途中にはもう、階段脇の桜が見えていた。
近付くにつれ、桜のある風景がはっきりと見えてくる。
道を尋ねることも地図を見ることも必要なかった。
高台の桜が目印になっているからだ。


総門を入ると目の前に現れるのが、この景色。
ひとりだったが「ほーぉ…」という声を出してしまった。
すごい。まるで画だ。桜も緑も石段も、すべてが合わさって素晴らしい画として完成されている。


長い長い階段を、左右の木々を見ながら上り切ると、この仁王門が現れる。
大堂も仁王門も戦災で焼失したために再建されたそうだが、堂々とした姿は歴史を感じさせる。
向かって右側の桜の咲き方が少し他とは違っているような気が…。


普通、桜は太い幹から太い枝、そこからまた枝がたくさん伸び、その先に咲いているものだ。
病気でもあったのだろうか、かなり太い枝も途中で切られている不恰好な桜。
近寄ってみると、太い枝から直接、花が開いているのだ。
花は精一杯、咲いていた。
まるで洋服のフリンジのようだ。


仁王門をくぐると現れるのは、堂々とした大堂。
向かって右手には、桜の木がたくさんある墓地。
桜に目をやりつつ、まずは大堂をお参りした。
写真右に写っている桜の脇には立て札がある。
お参りをしてから、確かめてみた。


この桜は「笹部桜」。
カスミザクラとオオシマザクラサトザクラの交配品種で、笹部新太郎さんという一生を桜に捧げた方が手掛けた桜ということから、そう名付けられたという。
吉野桜が木綿なら、笹部桜は絹である』と言われるほど高い評価を得ているらしい。。
花びらの色、重なり、形、どれも美しい。高貴な空気を漂わせている桜だった。


笹部桜の手前から右に伸びた道を進むと見えてくるのが、本門寺の紹介に必ず出てくる五重塔だ。
五重塔までの道の両脇には桜。背が高く、塔の目の前に行くまでは、桜で塔が隠れるほどだ。
この五重塔は関東に4基現存する幕末以前の五重塔のうち、いちばん古い塔だという。
平成13年にすべての修復が済んだそうだ。
桜と五重塔、これも素晴らしい画だった。


墓地の脇には桜のトンネルが出来ていた。
よく見掛ける、道の両側に桜の木があり、それぞれの枝が伸びて出来たトンネルではない。
道の片側にしかない桜の枝が伸び、頭上を覆いつくしたトンネルだ。
それほど立派な枝振りの桜が並んでいる。


ちょっとオマケ。
池上の一丁目1番地は池上本門寺の境内、長栄堂の脇だった!
東京マガジンの志垣太郎になりきり、パチリ。


総門脇にあった枝垂れ桜。
まだ細い幹だったが、香りがすごかった!
風が吹くと辺りに広がる何とも言えない香り。
今年観た桜の中でいちばん、香りが強い桜だった。


総門に向かって右側には池上小学校がある。
その小学校の方から境内の階段を見ると、この画が観られる。
香りが強い枝垂れ桜、階段脇の緑と桜、すべてがひとつになり、これもまた美しかった。
神社仏閣には桜が良く似合う。
今日も、素晴らしい景色を見せてもらった。感謝!

日蓮宗大本山 池上本門寺