年末年始休み6日目・・・最低気温−5.1℃、最高気温2℃ 晴れ・曇り

気持ちのイイ晴れの朝。お日さまの光が雪に反射して、町がキラキラしている。冬のお日さまは、暖かさだけでなく、こういうオマケも与えてくれるから大好き!バリッと冷たい空気も、晴れの証。
今日は初詣に行く、と決めていた我が一家。暖かくなると人がたくさん出て来て混雑するので、朝ご飯を食べる前に出掛けることになった。晴れたとはいえ、大晦日の大雪のために足元はガチガチに凍っている。半身が不自由なおじいちゃんは、今年は行かないと決めていたようだった。 「お賽銭とおみくじ代を預かって行くよ」 と言うと、 「じゃぁ、Lは自分のお賽銭とおみくじは右手で、おじいちゃんのは左手でな」 と言って、小銭入れからお賽銭とおみくじ代を私の左手に托した。うぉー、こりゃぁ重要任務だなぁ。間違わないようにしなくっちゃ!


お兄ちゃん家族とおばあちゃん、私は1台の車に乗り、うちから10分ぐらいの神社へ向かった。その道の両側は田んぼとりんごの木だけが広がっている何もない場所。

少し走ったところで 「うわぁ!岩手山が見えるー!!」 と大声を上げる私。雄大で男らしい、大好きな岩手山。私が帰省するときはいつも、恥ずかしがって雲に隠れてしまう。最近は、 「まだ今回も岩手山が見れながったぁ」 とガッカリする帰省が続いていた。私が岩手山が好きなことを知っている家族たちは 「良がったぁねぇ」 と一緒に眺めてくれている。すると運転手のお兄ちゃんが、 「車止めっから、写真撮ってくれば?」 と言って、車を脇に寄せてくれた。
あー、なんて素敵な風景なんだろう。今日は姫神山もキレイに見えた。岩手山は男性、姫神山は女性と言われている。カップルでキレイに見えたなんて、私にとっては何年ぶりだろう。今年は絶対に、イイ事があるぞー!



私たち家族がお参りするのは、志和稲荷神社。小さいがとても古い神社で、創建は1057年だそうだ。社殿は、周りを大きな大きな杉林が囲んでいる。まるで、杉が社殿を守っているように見える、素晴らしい画。写真に写っている人と比べると、杉の木がどれだけ大きいか分かるかな。
それほど大きくない神社なのに、三が日の参拝客は、県内でもかなり上位に来るほど有名らしい。別表神社として格式もある神社と言われている。昔は水争いが激しかったこの地域。どれだけの人がこのお稲荷さんを、今日の私のように参拝したんだろう。この杉林は、歴史をずっと見てきたんだろうなぁ。そう思うと、とても神聖な気持ちになる。


この手水社、今朝は−5℃だから小さな氷柱ができているだけだが、数年前のかなり寒い初詣の時は、流れる水の部分以外は全て、凍っていたことがある。手も口の中も、あまりに冷たい水にキューッと縮まる思いだった。清められた感、いっぱい!

社殿脇にある稲荷山参道。小さな鳥居がずーっと続いており、その先には小さな山祇社、更に奥には稲荷山大杉がある。webサイトより 『千年の老杉は稲荷神社を表徴し、その歴史の古木を教え、信仰者には延命長寿をこの老杉に祈り白狐の神毛を根本からさがしもとめる風習があります。(周囲14m/高さ45m)』 。


岩手は、馬信仰の深い土地。遠野のオシラサマ然り、チャグチャグ馬コのお祭り然り、馬を崇め祀る風習が多い。この志和稲荷神社にも、真っ白い御神馬。この脇には小さい鳥居があり、お祈りの仕方が細かく決められている。はじめに左の柱を廻り、次に8の字を描くようにくるりと右の柱を廻り、次にまた左の柱を廻り、御神馬の前に立つ。次に、御神馬の前にある人形用紙に住所・氏名などを記入。

男性は白、女性は赤い紙に書く。紙とお賽銭を納め箱に入れ、寿命神の御神像を擦り、自分の体も擦る。最後に深く祈りを捧げる。


雪が深くて樹齢千年の稲荷山大杉までは行けなかったが、社殿の周りにも立派な杉の木がたくさんある。
これは、手水社から石段を上がったところにある杉の大木。いろんな人が、この杉の木を見上げたんだろうなぁ。
私がボケーッとこの木を見上げている間に、家族はみんなおみくじも引き終わり、参道に戻って甘酒を啜っていた。おいおい、家族たちよ。この大木を見て思うことはないのかいっ!


私もおみくじを引いて、おじいちゃんの分のおみくじも左手で引いて、みんなと合流。やっと甘酒にありつけた。あー、体が温まるわぁ。みんな揃って、参道を後にする。振り返ると、雪道に立派な杉の木、赤い鳥居と見事な画がそこにあった。歩いている人と比べると、杉の大きさがよく分かる。立派だなぁ。静かな風景が、心を静めてくれる。とてもイイお正月になった気がして、思わず手を合わせたくなった。

足元はガチガチの氷でツルツル。氷の上には杉の葉が撒かれ、滑り止めとして使われていた。あー、こういう使い方もあるんだね。お見事!


家に帰って、みんなで遅い朝ご飯。私が左手で引いたおじいちゃんのおみくじは、私と同じ 「小吉」 だった。おじいちゃん、ごめんねー。年女のおばあちゃんだけが大吉! 「うわぁ!大吉だ!」 と大喜びのおばあちゃん。良かったねぇ。健康で穏やかに過ごせるイイ年になるといいね。
朝ご飯の後は、もちろん雪かき。のそのそ雪が降っていないが、まだ残っている雪を散らし、硬く氷状になった雪を割り、お日さまのパワーで溶かしてもらうためだ。はーっ、雪国の冬は本当に大変!


ひと息ついたところで、明日、東京に戻る私のお土産の買い出しに、花巻空港に行くことになった。このところ、お土産の買い出しは花巻空港ばっかりだなぁ。お菓子屋さんを回ったり、ショッピングセンターの県産品コーナーを探すよりも、一箇所でいろいろ買えて便利だからだ。 「空港までドライブしよう!」 ということで、今度はおじいちゃんも一緒に、全員で出掛けた。

さぁ、ここからは私ひとりが店内をバタバタと歩き回ってお買い物。
まずは、いまヘルプで通っている埼玉支店と、その前に通っていた取引先の部署へ南部煎餅をチョイスして発送。今回の南部煎餅はホタテ、たまねぎ、さつまいも、かぼちゃ味をチョイス。どれも私のお気に入りのお味。
次に友達や親戚用にドロップ缶やずんだ味プリッツ生せんべい、ずんだキットカット等など、いろんなお菓子系を購入。
おばあちゃんやお兄ちゃんは、私に持たせるお土産をそれぞれ買ってくれていた。ありがとぉ!

ちょうど空港内に、私が大好きな盛岡の生活雑貨のお店 「こしぇる工房add」 の売店が出ていた。うわぁ、ラッキー!!

フランス語のような響き 「こしぇる」 とは、 「こさえる(作る)」 の岩手訛り。addの作る手ぬぐいやふきんが大好きで、たくさん持っている私。そのデザインは、山の幸や海の幸、南武鉄器、わんこそば、鮭、稲穂、季節の風景など、全て岩手のもの。そのデザインの素晴らしいこと!あとで時間があるときにゆっくりと写真をアップしようっと。まるでコレクターだもん、私。商品を見ながら家族に説明する私を見て、店員さんが 「すごく詳しいですねぇ。私が要らないぐらい。あはは!」 と笑っていた。誉められた!・・・んだよね?
あ、写真左下の 「山ノ幸図鑑」 手ぬぐいは私のいちばんのお気に入り!山菜の図柄が、とってもよく描けているのだ。


家に戻って、みんなでお茶を飲んで休憩。よく休む家族だ。気が付けば、コーヒーやお茶を飲んで、お菓子を食べている。肥えるのも納得だね。
小学生のチビは、キーボードを持ってきて、リビングでピアノの練習を始めた。中学生のお姉ちゃんは、フルートを持ってきていたので、コンクール曲の練習。

吹奏楽部に所属しているお姉ちゃん。12月のアンサンブルコンテストで、お姉ちゃんたちの木管7重奏が沿岸地区代表のひと組に選ばれ、1月の県大会に出場することになった。1年生なのに、凄いじゃん!
初めは黙って聴いていた私だったが、どうしても音の出し方で気になるところがあり、自分のフルートを取り出して急遽、自宅レッスン開始!姉ちゃんが出す音を、もっと太く、丸く、柔らかくしたくて、教える私の方も力が入る。素直にアドバイスを聞くお姉ちゃん、どんどん音が柔らかくなってきた。これでもう少しコツを掴めば、もっと上手くなるなぁ。あー、付きっきりで教えてあげたいわぁ、と思うおばバカ。次に会ったら、私より上手くなってたりして!?


音楽に飽きたちびっ子たち、外に出て雪遊びを始めた。
そうそう、お兄ちゃんと大晦日ドカ雪の時に雪かきをしながら気付いたんだけど、雪が青く見える!
今までそんなことを思ったこともなかったし、見たこともなかったが、今回の雪は積もっている雪の陰になった部分を見ると、青く見えるのだ。白って、そういう色なのかなぁ。
写真だと、分かりづらいなぁ。実際はもっと、青く見えたんだけどなぁ。チビたちも 「うわぁ!本当だ、青い!」 って言ってたもん。


夕方、外でまた偶然に空を飛ぶ白鳥の美しい姿を見た。こんなに続けて見られるなんて、本当に今年はラッキーな年なのかもしれない。前回は私ひとりで見たが、今回はちびっ子たちも一緒に見ることができた。小学生のチビ、 「ねぇねぇ、Lちゃんの白鳥の声マネ、上手だねぇ。いま飛んでた白鳥、Lちゃんの声マネと同じように鳴いてたもん」 だって。あはは!何日か前に、白鳥の声マネをして聞かせたのを覚えていたようだ。いやぁ、誉められちゃったよー。

夕方は寒い。縦樋の出口は、こんなにバリッと凍っていた。ぎゃはは!これじゃぁ、流れないじゃん。


カレー鍋の夕食の後は、トランプでチビたちがケンカをしたり、お風呂に誰と入るかでモメたり、お兄ちゃんはPCにソフトが入っていなくて持ってきた仕事が出来なかったり、とにかくドタバタ。みんなー、落ち着こうよぉ!


上のお姉ちゃんは、部活があるため私同様、明日ひとりでバスに乗って帰らなければならない。帰りたくないらしく、とても寂しそうだ。まだまだ田舎に残って遊べる下のチビがうらやましいのか、何をやってもケンカになってしまう。
田舎に帰ってきてから毎日ちびっ子たちは、ひとりずつ日替わりで、2階のお兄ちゃんの部屋と1階のじぃばぁの部屋に分かれて泊っていた。じぃばぁの部屋には私も寝ているので1階の方が人気なのだ。順番からいくと今日は、2階がお姉ちゃんで、1階が下のチビの番だ。おばあちゃんが 「お姉ちゃんは今日の夜が最後だがら、一緒に下で寝べーす」 と声を掛けた。 「別に、どっちでもいいけどぉ」 と言いながらも、嬉しそうなお姉ちゃん。私とお布団を並べ、夜遅くまでおしゃべりをして、眠った。
お姉ちゃんも寂しいだろうけど、私も寂しいんだよー。目が覚めたら、もう 「帰る日」 になっているんだねぇ。