マルツ工房の災害復興グッズ

南風が強く、洗濯物も飛ばされてしまうような休日。朝、お洗濯をしたあとは、パソコンの電源もテレビの電源も入れず、静かに過ごしていた。こういう日が、ときどき必要になる。
昨日は遠く離れている友人が倒れ、救急車で運ばれた。病院で意識が戻り、点滴をしているときにメールをくれた。最近、救急車で運ばれる回数が増えた様子。点滴されている腕を写メしてくれたぐらいだから大丈夫そうだが、それでも、すぐに駆けつけられない距離にいることをもどかしく思った。



いろんなことが頭の中をぐるぐる回っているときに、インターホンの音でハッと現実に戻された。郵便配達の方から受け取ったのは、数日前にネットでオーダーした商品だった。うわぁ、届くの早いなぁ。
盛岡市内のデザイン会社 「マルツ工房」 は、岩手の名産や名所などをデザインしたグッズを作っている。岩手への帰省の度に必ず、手ぬぐいやエコバッグ、Tシャツ、デザインハガキなどを買ってくる私。オッサレー!なマルツ工房グッズが大好きなのだ。工房代表のブログも大好きだ。とてもステキな方だし、岩手のことを知ることができるので、いつも寄らせてもらっている。



そんなマルツ工房さんが販売している災害復興グッズの中から、今回はバッジをオーダーした。44mmという大きめサイズのバッジ。自分が付けるというよりも、友達や知り合いに配って付けてもらおう、と思って。災害復興グッズは、代金の一部が支援金となる。一度にたくさん買うのではなく、少しずつ長く買い続けることが大事だね。災害復興グッズといっても、マルツ工房さんのデザイン。とてもオッサレー!で可愛らしい。あ、 「オッサレー」 は、マルツ工房さんのブログでは、よく登場する言葉なのだ。うふふ。



今回のシリーズの中で、私のいちばんのお気に入り。
白鳥が四葉のクローバーをくわえて飛んでいる、ゆるいデザイン。


同じく、白鳥デザイン。同じデザインのTシャツもある。
いちばん上には、地震津波が襲った日 「3.11」 。


マルツさんも、紹介の時に 「(笑)」 と書いていた、どこか見覚えがあるようなデザイン 「情熱三陸」 。
この情熱三陸という言葉を使った理由、下の海にある船の意味は、この日のマルツさんブログに。



バッジの下に敷いている手ぬぐいは、以前購入したマルツ工房さんデザインの 「イワテヌグイ」 。岩手の 「イ」 は石割桜、 「ワ」 はわんこそば、 「テ」 は鉄瓶。全て岩手を代表するものたちだ(デザイン全景はこちらで)。石割桜はいま満開を迎えているらしいが、観光客はほとんどいないとのこと。寂しいね。新幹線が通ったら、また人が岩手に来てくれるようになるかな。


白鳥はどうだろう。私が生まれ育った宮古市の海沿いの地区には毎年、冬になるとシベリアから白鳥がやってくる。
給食のパンを全部食べずにそっとランドセルに入れ、学校が終わるとそのパンを持って白鳥に会いに行った。学校が休みの日は、海の前にある小さな商店に行ってパンの耳だけを集めた白鳥用のパンを買い、会いに行ったものだ。川が海と合流する辺りにいる白鳥たちは、私たちが行くとスイスイ泳ぎながら寄ってきた。潮の状態によっては、砂地をペタペタと歩いて寄ってきて、手に持ったパンをそのままパクッと食べてくれることもあった。帰りは、白くてふわふわの白鳥の羽を拾い、大事なものを入れる秘密の箱に入れるのが楽しみだったなぁ。
船も建物も無くなってしまった海沿いの地区。来年の冬もきっと、白鳥たちは来てくれると信じている。子供たちが、白鳥にパンをあげに行けるほど元気になっていますように。マルツ工房さんのデザインのように、白鳥が幸せを運んで来てくれるといいな。