体育祭

賑やかな朝。道路を挟んだお向かいの中学校は、運動会。中学校だと体育祭かな。朝からマイクを通した先生の声、大音量の音楽、生徒たちの歓声が、近所中に響き渡る。部屋でテレビを点けても、生徒たちの声に負けてしまい、テレビの音が殆ど聞こえない。
「うるさいなぁ」 ではなく、こういう日は、その声を楽しむに限る。



そんな午後、暫く歓声が聞こえないなぁと思ったあと急に、楽器の音が聴こえてきた。おっ!始まったね。慌てて部屋を出てマンションのエントランスに立ち、校庭を眺める。

恒例の、マーチングバンドの演奏が始まった。中学・高校と吹奏楽部だった私は毎年、この時間を楽しみにしている。
その演奏に道行く人も足を止め、校庭を眺めている。同じマンションに住むママとチビちゃんも出てきた。挨拶をすると 「やっぱり、これが始まると出てきちゃいますね。ふふふ」 とママが笑った。校庭を囲む道路は、一般の観客でいっぱいになった。自転車にまたがったままの人もたくさんいる。うふふ。
白と黒の衣装を着て、歩きながらピカピカの楽器を上へ下へ動かし、見事な演奏をするマーチングバンド。可愛らしいチアリーダーも一緒になり、曲に合わせて元気に踊る。さすが、今どきの中学生。定番曲だけじゃなくて、AKBの曲までも!上下の体操着で体育座りしている生徒たちも、その演奏に夢中だ。やっぱりイイねぇ、青空の下のマーチングバンド。
今年もたっぷり楽しませてもらった。校庭に入れず、ネット越しに見ていた私のような観客たちからも、大きな拍手が起こった。ありがとう。



普段、歩道いっぱいに広がって歩いたり、マンション前の道路で奇声を上げたり、携帯電話を操作しながら登下校したり、 「今どきの中学生は・・・」 なんて言いたくなるときもある。
でも、こういう学校行事で、自分の組を大きな声を出して応援したり、勝った瞬間にキャーッ!と抱き合って喜んだり、立派な演奏をしたり、そういう姿を見ると 「あー、いいなぁ」 と思い、ホッとする。学校って、そういう場所だよね。
少年少女たち、こういうひとつひとつを、しっかり覚えておくんだぞー。