気付いているのかな

地下鉄の赤坂見附駅を出たところにある、エスプラナー赤坂通り
朝は仕事に向かう人たちが行き交い、夜はお酒を飲みに行く人たちが行き交う。とにかく平日は人が途切れることがない通りだ。



私が朝に通る、駅ビルから赤坂見附交差点までの短い距離にも、等間隔に並んだ街路樹。その中に1本、私の背の倍以上もある大きなキンモクセイの木がある。他はハナミズキなのに、この1本だけがキンモクセイ。実は逆方向にもあるのだが、そちら側は飲みに行く夜しか通らないので、朝に見ることができるのは、この1本だけ。
ラッシュの電車から解放されて地上に出た瞬間、ふわーっと香る甘い甘い香り。つい、見上げてニヤリとしてしまう。
スーツ姿の会社員、もうブーツを履いているOLさん、開店準備をしている店員さん、お酒やタオルを納品しているお兄さん、夜の営業を終えて外でタバコを吸っている板前さん、みんなキンモクセイの香りに気付いているのかな。


殆ど人が居ない休日の通りで、ふとそんなことを考えた。