久しぶりに会えた夜

今朝方の夢に、亡くなったおばあちゃんとおじちゃんが出てきてくれた。ふたりとも大大大好きなのに、なかなか夢に出てきてくれない。本当に久しぶりだね。
どうして出てきてくれたのか、分かるよ。だって昨夜の居酒屋で、思い出したんだもんね、ふたりのこと。


昨夜は歓迎会&忘年会で、海鮮居酒屋に行った。靴を脱いだ後、奥の方の個室だったため廊下を歩いていると、厨房が見えた。宴会シーズンということで、両手を広げたぐらいの大きな長手盆に、同じ料理の入った器がぎっしり載っていた。その長手盆がいくつも並ぶ様子を見て、 「あー、昔のおばあちゃんちみたい」 と懐かしく思った。長手盆が見えたのは、ほんの一瞬だったんだけど。



おじちゃんは左官屋さんだった。うちの苗字を付けた、●●左官店という左官屋さん。私が子供の頃は景気が良く、よく職人さんが集まっては、宴会をしていた。
宴会の日は、家の人たちは準備が大変!おばあちゃんちの居間と隣の部屋の襖を外して広くし、大きな座卓を4つぐらい繋げ、そこにグラスやお箸、お刺身用の醤油皿、取り皿などを並べる。旅館の宴会と同じ画だ。台所では親戚が集まってお料理や熱燗作り。私は、長手盆に同じお料理の入った小鉢がぎっしり載っている様子を眺めるのが、大好きだった。長手盆を持って宴会の部屋に行くと、集まった職人さんたちが 「おー、力持ちだなぁ」 と言いながらお料理を取ってくれるのも楽しかった。顔は怖いし、口は悪いし、大酒飲みだが、とても優しい職人さんたちが大好きだった。


今朝方の夢に出てきたのは、そんな若い頃のおじちゃんと、元気にチャキチャキしていた頃のおばあちゃん。場所は、宴会の準備が始まったばかりのおばあちゃんち。昨夜の居酒屋で見たような、お料理がいっぱい載った長手盆もある。白い割ぽう着を着たおばあちゃんは、台所を仕切っていた。
夢の中でいちばん覚えているのは、うちのお母さんが酢の物を作り、おばあちゃんが味見をしているシーン。きゅうりの酢の物の味を見て欲しい、とお母さんがおばあちゃんにお願いする。するとおばあちゃん、ひとくち食べた瞬間、 「すっけぇ! (酸っぱい) 」 と言い、顔がクシャっとなった。よほど酸っぱかったんだろうなぁ。その顔がおかしくて、おかしくて。
目が覚めた瞬間、自分の顔が笑っていたような気がする。


本当に昔、そんな場面があったのかどうか忘れてしまったけど、 「すっけぇ!」 というおばあちゃんの声と顔、それを見てガハハと笑うおじちゃんの声が忘れられない。
いい夢だったなぁ。。。