息抜き

世の中は夏休み。通勤電車は空いていて、座れることも多い。一方、乗り換えで利用する東京駅は、大混雑。キョロキョロと駅構内で迷子になっている家族連れのキャリーケースに何度、足をひかれそうになったことか。あと数日のことだろうけどね。
しかし、なんだってこんなに暑いのか。社内でパソコンをパチパチやっていても、ふと窓に目をやると、そとが眩しく光っていて、目の奥がジンジンしてくる。あー、外は暑いんだろうなぁ。。。


そんな今日のお昼休み。ご近所のお店はみんな夏休み。いつもお世話になっている女将さんのところも 「河岸が休みだから、お店ができないのよ」 とお休み。何か買ってきて、会社のフリースペースで食べてもいいのだが、コンビニのお弁当は苦手だ。
そうだ、暑いけど、豊川さんのお茶屋さんで食べようっと。


遅いお昼休みだったので、客は私ひとり。冷たいうどんをいただく。エアコンは無いが扇風機が2台あり、そのどちらも私に向かって風を送ってくれている。しかも、首振りではなく、固定で私目掛けて。お茶屋さんのおばあちゃんに 「何だか、扇風機を独り占めしちゃって、申し訳ないです」 と言うと、 「いいのよー。今日は外も風があって、いくらかイイわ」 とおばあちゃん。そのままおばあちゃんと話をしながら食べているうちに、うどんはあっという間にお腹に入っていった。
ふーっ、苦しい。ごちそうさまでした!



本殿手前にあるベンチで風に吹かれながら、ひと休み。あー、なんて気持ちイイんだ。
見上げれば、日陰を作ってくれているのは、この大銀杏の木。秋には金色に光って、参拝する人たちを見守ってくれている木だ。そっかぁ、夏はこうやって日陰を作って、足元に集まる人たちの 「日陰は涼しいね」 「風が気持ちイイね」 なんて声を聞いていたんだね。
冷房の効いたオフィスの快適さとは全く種類の違う心地よさが、ここにはある。暑さを嫌って、なかなか外に出ない毎日を反省。猛暑の屋外で、こんなに気持ちイイと感じたのは初めてかもしれないなぁ。



つい最近、大銀杏の隣には、大黒堂が建てられた。
それほど広くない境内に建てられたこともあり、お堂の屋根はどうしても大銀杏に当たってしまう、ということからの苦肉の策なのか。太い幹の部分だけ屋根が切り取られた格好になっている。切り取られた、というよりも、幹を囲むような形に造られた。
数十年後、この幹はどうなっているんだろう。もっともっと太くなるのかなぁ。
ぼけーっとベンチに座って大銀杏を見上げながら、そんなことを考えていた。同じように数十年後、ここに腰掛けて 「あの時、そんなことを考えたっけ」 なんて思い出していたりして、ね。



今、境内の百日紅が満開だ。
濃い花の色も、強烈な日射しを受けて、写真に撮ると色が出ない。ほらね、白か紅か、分からないもの。左に立っている人と比べると、その大きさだけは分かるね。本当は、きれいな濃い紅なんだけどねぇ。
山門手前の階段を上っていくと、真正面に現れる紅。思わず 「うわぁー!」 と声が出てしまう、その画を目にできるのは、実際にお参りした人だけっていうことか。
明日も、うわぁー!って言いに行こうっと。