イイ顔いっぱい


松屋銀座で開催中の 『ぐりとぐら展』 。平日なら、と思って昼過ぎに行ってみたのだが、入場券売り場はもの凄い人の数で、驚いた。前売り券、買っておいて良かったぁ。そりゃぁ、そうだよねぇ。ぐりとぐらだもん!


ぐりとぐらは、子供のころ大好きだった絵本のなかのひとつ。中川李枝子さんと山脇百合子さん姉妹の、素敵な作品。もちろん、 「いやいやえん」 や 「そらいろのたね」 も大好きだけれど、やっぱり 「ぐりとぐら」 シリーズだなぁ。特に 「ぐりとぐらのかいすいよく」 が大のお気に入り。何度も何度も読んだもん。


会場には、作品紹介のパネルや貴重な原画はもちろん、中川さんの映像や、作品関連の大きなオブジェがあったりして、とても楽しい展示になっていた。
自分よりも大きなぐりぐら絵本の表紙パネルがいくつも並び、それを縫うように歩くのが、本当に楽しかったぁ。自分が小さくなって、絵本の世界に入り込んだ気持ちになるように、ってコトだよね。だって、巨大な絵本パネル前の床には、大きな大きな人間の足跡が描かれていたもん。不思議の国のアリスになった気分だったよ。


中川さんのストーリーはもちろん、山脇さんの絵が大好きだ。まるで、外国のそれのようなタッチ。今日、原画を文字通り目の前で観られて、その繊細さに改めて感服した。


数年前、難病と戦う子供とその親御さんを支援するNPO法人ファミリーハウスの方と、仕事でやりとりをする機会があった。ハウスの担当さんからお礼状を頂いたとき、そのお葉書のイラストが山脇さんの絵だった。


すぐに、担当さんに連絡。 「もしかして、ぐりとぐらの山脇さんの絵ですか」 と聞いたところ、 「そうなんですよ。山脇さんも、この活動に賛同してくださり、イラストを提供してくださっているんですよ」 と仰っていた。 「優しい絵ですもんねぇ」 と言うと 「そうですよね。子供たちもとても喜んでくれるんですよ」 と。

ぐりとぐら展の会場は、柔らかいイイ顔をした人でいっぱい。懐かしい子供の頃を思い出している顔、子供に読んであげた頃を思い出している顔、 「これ知ってるー!」 と声を上げる子供の顔、 「この絵本、うちにあったよねぇ」 と話す親子の顔、みんなみんなイイ顔してる。
あれ?私ももしかして、イイ顔してたのかな。ふふふっ。