ホトトギスどうする?


昨日の続きで、本のこと。
先月の終わり頃、火坂雅志さんの 『天下 家康伝』 上下巻をやっと読み終えた。
家康…鳴かないホトトギスを鳴くまで待つ人、だ。殺してしまう信長、鳴かせてみせる秀吉に比べて地味なイメージの家康だが、機が到来するまで待つ、という判断を下せるのも、ひとつの才能。地味ながらも戦国時代を生き抜き、最後は登り詰めた人だから、学ぶことも多くあった。
何より、複雑に絡み合う戦国の人間関係や縁戚関係がうまく書かれていて、 「そうだったんだ!」 と頭に灯りがポッと点く瞬間がたくさんあったのが面白かったぁ。


普段、本は通勤電車の中で読むことが多いのだが、これは家康の世界に入り込んでしまい、何度も泣きそうになった。火坂さんが、この連載を終えた4ヶ月後に亡くなったことを想うと、あとがきの言葉ひとつひとつが心に沁みる。


図書館への返却がちょっぴり遅れてしまって申し訳なかったが、頭の中の知識エリアがひとまわり大きくなった気分。