「ギザ十」見っけ!

毎日使っている財布は、お札も小銭も一緒に入る長財布だ。札入れと小銭入れを両方持ち歩いていた時期もあったが、大量のお札を持つこともない貧乏人なので結局、いまの長財布に落ち着いている。


例えば、買い物をして「525円です」と言われた時に、大人なら1000円札と一緒に25円を出して500円のお釣りをもらうだろう。だが、私はあまり小銭を探すということをしない。525円なら1000円を出して475円のお釣りを受け取る。自分の後ろに誰かが並んでいると、もたもたと小銭を探しているのが悪いような気になってしまうし、小銭を探している間にレジの人が『まだかよー』みたいな顔をして待っている時間が苦痛だからだ。結果、財布の中は常に小銭がいっぱいでパンパンになってしまう。


銀行や百貨店のカードもたくさん入っている財布は、小銭が増え過ぎるとファスナーが閉まらなくなってしまうため、マメに小銭を取り出すようにしている。
10円玉は会社の缶に、100円と500円は自宅の貯金箱に。
会社の10円玉缶がいっぱいになると、コンビニで使っている。150円のお茶2本を買うため、会社から10円玉30枚を握りしめてコンビニへ。

「細かくてすみません」と言いながら出すと、優しい店員さんが「お釣りに使うので助かります」と言ってくれる。ウソでも有難い。

今日、いっぱいになった10円玉缶を見ながら、ふと「ギザ十はあるかな」と思った。小さい頃、淵がギザギザになっている十円玉、通称『ギザ十』が欲しくて、よく探したものだった。会社の昼休み、100枚以上ある10円玉からギザ十を探してみることにした。これだけあればたくさんあるだろうと思って探したが、これがなかなか見付からない。



やっと見つけたギザ十は、たった1枚だった。
昭和27年の十円玉。
なんだか貴重なモノに思えて、10円玉缶から脱出させ、引き出しの小分けトレイの1室を与えて保管することにした。
時間が経ったら、そんなことは忘れて使ってしまうんだろうけど。