鉄道博物館に行って来た!

先日、鉄道ヴィネットコレクションの日記に登場した鉄子ちゃんと、大宮の鉄道博物館に行って来た。ふたりとも平日の同じ日に休みだったので、鉄子ちゃんに案内をお願いしたのだ。鉄子ちゃんは前日からウキウキで色々と予備知識を与えてくれた。鉄道に興味があって行くのではなく、大好きな"くるり"の岸田くんがタモリ倶楽部で楽しそうだったから行ってみたかったの、とは言えなかった。。。
とりあえず当日は、10時のオープンに合わせて現地で落ち合うことに。川口に住んでいる鉄子ちゃんと都内に住んでいる私。30分も掛からずに着く鉄子ちゃんと1時間半も掛かる私。鉄子ちゃんは気を遣ってくれて「私は電車の運転シミュレーションができるチケットを取るため並ぶので早く行くけど、ゆっくり来てくれていいですからねっ!」と気合充分。さすがTeppa倶楽部会員!しかし、あまりにも申し訳ないので9時半着で大宮駅を目指すことにした。


当日。JR大宮駅に着いてからニューシャトルという園バスのような黄色いモノレールに乗り換え、鉄道博物館駅で下車。ニューシャトルは小さい遊園地の乗り物みたいで可愛らしかった。駅から鉄道博物館まで通路が繋がっていて、雨に濡れることも迷うこともない。10時前、しかも平日だというのにたくさんの人が並んで開館を待っていた。しかも子供ではなく大人がっ!ま、かくいう私も平日の朝に並ぶ大人の中のひとりなのだが…。
列の最後尾で鉄子ちゃんにTEL。「いまどこ?とりあえず最後尾に並んだんだけど、ひとりだから恥ずかしいよ」と言うと「私、遅めの8時半に着いたんですけど1番だったんですよ。私はいちばん前に居るんですけど、そのまま並んで入ってきてください。シミュレータの整理券は私が取っておきますので!」と小声ながら力強いお言葉。
遅めと言いつつ1時間半も前から並んでいてくれたとは!しかも、このすごい列のいちばん前に鉄子ちゃんが居るとは!恐るべし鉄パワー!ありがとう、鉄子ちゃん!!お言葉に甘えて、そのままひとりで並んで入ることにした。



鉄道博物館鉄博)入り口までのアプローチには新幹線の時刻表などがデザインされており、駅から鉄博入り口まで歩く間にテンションを上げてくれる(のだと思う)。待ち時間も、足元を見て楽しめる(のだと思う)。
何せ普段、全く鉄道というものに興味がないので、私には楽しみ方が分からない。
実家に帰るために年に数回、新幹線に乗るので、東北新幹線の車両が頭に浮かぶ程度だ。残念ながら『新幹線トレインジャー』は居ない様子。このトレインジャー、もっと前は『新幹線隊ダジャー』として売り出していた気がするけど。



販売機で1000円の入館ICカードを手に入れ、入り口にある自動改札機にピッ!とやって入館。
そこには鉄子ちゃんが、ぶるんぶるん手を振って立っていた。首からはTeppa倶楽部会員の証『ブラックカード』を下げている。入館ICカードは一般で買うと白地に非常口マークのような緑の人を模ったデザインになっているのだが、Teppa倶楽部の人は同じデザインでも緑ではなく黒なのだ。
カードは貰えるものだと思っていたので写真を撮らずにいたら、帰りに出口で回収されてがっかり。でも回収した時に、代わりに紙の鉄道カードをもらった。

そんなブラックカードと一緒に小さな紙を嬉しそうに見せてくれる鉄子ちゃん。「運転できますよ!油断していたら後ろの人に抜かれて2位になっちゃったけど」とのこと。開館と同時に鉄ちゃんたちがドドーッと走って整理券をもらうそうだ。確かに、開館を待っているとき、「●●は先着13名です」「××は先着150名です」というプラカードを持った人が何やら案内していたな。鉄子ちゃんにお任せしていたから気に掛けなかったけど、先着13名のD51運転シミュレータ整理券を2番目にゲットしてくれたそうだ。のんびり到着してホントに申し訳ない。


D51のシミュレータ予約は13時半ということで、とりあえず最初に向かったのは山手線の運転シミュレータ。京浜東北線東海道線などもあったが、空いていたのと、実際の風景が流れるということで山手線にした。

スクリーンは正面、左右と三面もあり、かなりの迫力。映像が古いのが残念だが、実際にガタガタ揺れるし、音も急ブレーキの揺れも本当によく出来た、リアル乗り心地だった。
運転は鉄子ちゃんに任せた。なぜなら私たちの後ろにはひとり参加の鉄ちゃんが並び、私たちの数組前の運転から「ブレーキが遅い」だの「スピードを上げろ」だの「はーーーっ」というデッカイため息だの、とにかくひとりでブツブツ言っていたので運転デビューを飾る勇気が出なかったからだ。ここは何度か体験している鉄子ちゃんに任せ、横で応援団をすることにした。
さすが鉄子ちゃん、自分では納得が行かなかったようだが上手だった。後ろのブツブツ君も黙って見ていた。良かった、良かった。



次に、鉄博自慢のビューポイントへ。エスカレーターで2Fに上がり、1Fから吹き抜けになっているポイントに立って眺めてみた。
THE 鉄博
ここは、1Fのヒストリーゾーンが見渡せる最高のポイントだ。
全体の約半分を、この1Fの展示が占めているそうだ。思わず「うわーっ」と声が出てしまう圧巻のビュー。写真で見るのと実際に見るのでは全く迫力が違う。

すぐに1Fに下り、ひとつひとつの車両を見て回った。最初のうちはデジカメとポラの両方でバシバシ写真を撮りまくっていたが、そのうち車両そのものに興味が移ってしまい、気がつけば正面のSLの写真を撮っていなかった。空気に呑まれたのか魅力に取り付かれたのか、いつの間にか鉄子ちゃんをガイドに夢中になっていた。




初代東北新幹線
鉄博にある古い車両たちの中で、実際に現役時に自分が乗ったことがある唯一の車両。
すごく懐かしい。




まるで機関車トーマスに出てくるような洋モノ車両。
子供のおもちゃが大きくなったようで可愛らしい。




ボディ脇の国鉄マークが懐かしい。
この配色は岩手県北バスの車両に似ている。
いまだに現役で走っている岩手県北バスの八幡平号(ボンネットバス)を丸顔にしたような顔だ。




古い車両の中にも一部、入れるようになっている車両がある。
窓の鍵も古い引っ掛けタイプだったり、座席の枠や床が木だったり、レトロ感があふれている。



中には、その車両の時代に合わせた衣装を着たマネキンが乗っているものがある。お着物を着ていたり、行商のはっぴを着ていたり様々だったが、いちばん面白かったのがこのオレンジの車両。中央線なのか武蔵野線なのか知識がないので分からないが通勤・通学ラッシュを表現しているようで、ぎゅうぎゅうに乗せられていた。
首都圏・関西の通勤路線に使われた車両だから、ということらしいが、混雑イメージの車両って…。しかも広い博物館なのにラッシュ状態って…。

飽きもせず、精力的に車両を見てまわっているうちに、お腹が空いてきた。大宮駅で駅弁を買ってから向かうつもりだったが時間がなかったので手ぶらで行ってしまった。「お昼どうする?」と聞くと鉄子ちゃんが「大丈夫、レストランがありますよ。お弁当も売ってるし、電車の中で食べられるんです!見てみますか?」と笑顔。
屋外に「フレンドリートレイン」という車両がいくつかあり、持込みや売店で売っているお弁当を中で食べることが出来る。もちろん、止まったままではあるが、気分だけでも楽しめる。売店も駅のホームにある駅弁屋さんような造りになっていて雰囲気が出ている。


左が私の「さよなら寝台特急 富士★はやぶさ記念弁当」。
右が鉄子ちゃんの「鉄博オリジナル弁当(第三弾!)」←正式名称不明。
鉄子ちゃんの弁当はボックスの中にご飯とおかずの2段弁当が入っていて、幼稚園児のお弁当のようなお子ちゃま仕様の可愛らしい中身だった。
第三弾ということは、第一弾、第二弾もあったハズ。気付かなかった…と落ち込む鉄子ちゃん。





富士★はやぶさ弁当の中身。
ご飯の部分は雪を被った富士山のデザイン。ご飯の上には型抜きされたニンジンのはやぶさ。おかずは寝台特急が通る地域の特産が使われている。
東京のべったら漬け、横浜のシュウマイ、名古屋の味噌カツ、大阪のたこ焼きなど等ご当地名物が九州まで。実際に乗ったことがあれば更に楽しめる弁当なのだろう。

お腹を満たして気合を入れたところで、いよいよD51の運転シュミレータへ。
係りのお姉さんに整理券を渡し、500円を払う。荷物を預けたら、運転方法を説明するビデオを見て待っているように言われる。
が、難しい!!!仕組みが分かっていない私には、何のこっちゃら。一度、やったことのある鉄子ちゃんも「難しい〜!」と軍手をしたまま頭を抱える。この軍手、気合の入った鉄ちゃんだとマイ軍手を持ってくるそうだ。鉄博の中で軍手を持って歩いている人は「あ、あの人、D51シュミレータやったんだ」という目で見られるらしい。私が見ても「手袋じゃなくて軍手してるよ。変なの」としか思わないだろうが、彼等には分かるそうだ。
真面目に予習しないでそんな話をしていたら、前の人の運転が終了し、シュミレータに案内される。教えてくれるのは制服を着た男性だった。女性の時もあるそうだ。



まず、コースを選択する。簡単なコースと難易度が高いコースがあり、簡単な方にしてもらう。路線は岩手の釜石線で、簡単コースは花巻駅〜似内駅〜新花巻駅、難しいコースは岩手二日町駅〜綾織駅〜遠野駅。なぜ岩手なんだろう。花巻駅あたりは実家に近いし、何度か乗っているので嬉しい。
運転手は鉄子ちゃん、私はまたもや観客になった。装置がたくさんあり、動きも休みなく続くので難しそうだったから鉄子ちゃんにお任せした。私は時折、ボワーッという汽笛を鳴らすだけの係ということで。


鉄子ちゃんには次々と指示が出される。いろんな装置を押したり引いたり回したり、右手・左手とも休む間もなく係りの人から指示が飛ぶ。私はのんびりと風景を眺めているだけ。
山手線に比べるとガタンガタンと揺れが激しい。踏み切りや橋の手前では汽笛をならすように言われて私もスタンバってはいるが、鉄子ちゃんは100%忘れず足元のペダルを踏んで汽笛を鳴らしてくれるため出番がない。安心して乗っていられた。
運転終了後、「宜しければ写真を撮りましょうか」と係りの方が言ってくれたので、運転席前でふたりで撮ってもらう。鉄子ちゃんの後ろに私、という構図で撮ってもらったのだが、写真を見たら鉄子ちゃんはきちんと軍手の右手で敬礼をしていた。さすが!



メインイベントが終了し、他の展示を見て回る。
屋外にはラーニングゾーンという1周300メートルほどの線路があり、ミニ電車を運転することができる。この体験乗車が、入館前に説明されていた先着150名という整理券の対象ということだった。ミニミニ車両は高崎線京浜東北線、踊り子などがあり、小さいながらデザインは本物と同じものが施されている。小さい子供連れの家族がたくさん並んでいた。

大人には、2F・3Fにある電車の原理や仕組みを体験できるゾーンが面白いかもしれない。子供にはちょっと難しいだろうが、車輪の仕組みや蒸気機関車が走る仕組みなどを、簡単な道具を使って体験させ、分かりやすく説明している。
他にも電車の歴史が展示されているゾーンやオリジナルグッズが帰る売店など、建物そのものはさほど大きくないのだが、一日中楽しめる博物館だ。


もうひとつ私が楽しかったのは、巨大ジオラマだ。水族館のショーを観るように、ジオラマの前に階段状の観客席があり、数分間の鉄道ショーを観ることができる。照明が暗くなったり明るくなったりし、始発から最終までの電車が動く様子を観ることができる。夜には電車の中にも灯りが点り、とてもよく出来ていて感動した。
電車の知識が全くない私でもこれほど丸一日楽しめたので、鉄道ファンや子供にはたまらない場所だと思う。
また、今度はひとりでも行きそうな気がしてしまった。その時は、首からブラックカードを提げていたりして。


鉄道博物館 埼玉県さいたま市大宮区大成町3-47
 開館時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)
 休館日:毎週火曜日および年末年始
 入館料:一般1000円、中高生500円、3歳以上未就学児300円