立川談志 独演会


2009.4.18 よみうりホール 「立川談志 独演会」。
私にとっては、昨年の生志真打ち昇進記念一門会以来、久しぶりの談志落語だ。ロビーでキウイさんから談志手拭いを買って、ホールへ。開演までの1時間で席はびっしり満席になった。席だけではなく客の期待も膨れ上がっている。
昨年の「田能久」は、聴いているこちら側にまで体の辛さが伝わってきたので心配していたのだが、今日の落語は本人「気力がない」と言いつつも、やはり"談志の落語"だった。
軽快な「粗忽長屋」を終え、下りてきた緞帳を制止した後のおまけタイム。会場は割れんばかりの拍手。自分的には、また 『落語ちゃんちゃかちゃん』 が聴けるのか!?と期待したのだが違った…残念。

でも、生で「二人旅」が聴けたし、あの「芝浜」の最後、酒の場面についての長い語りというか持論も聴けたし、本当に行って良かった。
今日は、まくらで語っていた『常識は不愉快なもの』という話に納得。
談志の引き出しは数限りなくあるのだろう。そしてまくらでは、その引き出しをひとつずつ開けるのではなく、少し開いた引き出しの隙間から外に出たくて待っていた中身がどんどんどんどん溢れて出てくるのだろう。
本人は死んでもいいそうだが、落語という存在が「そうはさせるか!」と談志を生かしているのかもしれない。
そして、こうやって談志の落語のために足を運ぶ人たちもまた、談志を生かすほんの少しの要素にでもなっていたら嬉しい。