快気祝の箱根温泉旅行 1日目

手術から1ヶ月半。普通の生活が解禁になったことで 「お祝いに温泉でも行こう!」 ということになり、仲良しの従妹とその子供(9ヶ月の愛称ガッツ)と3人で箱根の強羅温泉に行ってきた。従妹の旦那様は仕事があり、一緒に行けなかった。残念。


朝、車でうちまで迎えに来てもらい、部屋でガッツの離乳食を食べさせ、オムツを替え、いざ出発!
東京は少し雨がパラついていたが、箱根に近付くにつれてどんどん天気が良くなっていく。 「私たち、晴れ女だね〜!」 と言いながら異常にテンションが上がりまくるふたり。次第に晴れていく空を見ながら 「青い空」 という歌い出しの中学の時の応援歌を思い出し、ふたりで歌っていたら、降りるインターを通り過ぎてしまった。おバカだ。



昼頃、何とか芦ノ湖へ到着。東京の空がウソのようにきれいな青い空と、きれいな水の湖。芦ノ湖の上は青空なのに、遠くの空は雲に覆われていて、富士山の姿を見ることはできなかった。残念!海賊船に乗りたかったが、車で来ていたのと、かなり時間を要すため諦めた。
気を取り直し、芦ノ湖の近くにある寄木細工の 「いずみや」 でお買い物。幾何学模様好きの私にはパラダイス!もう、たまらん!寄木細工職人になりたい、と何度も思った。従妹はパズルのような、ひみつ箱を購入。蓋には富士山の細工が施された素敵なデザインだ。10回ほど仕掛けをカチャカチャ動かさないと開けることができない。へそくりを隠すには最高!


いずみやを出ると、青かった空から小雨がパラパラ降ってきた。今日のお宿は強羅ということで、少し時間は早いが、とりあえず向かうことにした。湖畔を走っていると、箱根神社の大鳥居が見えた。「寄って行こう!」 ということになり、丁度お祭り中の箱根神社へ。杉の巨木に囲まれた境内は、田舎育ち・東京在住の私たちには心和む空間。いいねぇ、和むねぇ、を連発しながらの散策。芦ノ湖に立つ鳥居を見るため、参道を降りて湖畔へ行ってみた。素敵な風景にうわぁー!と声が出た。
と、背中からも同じようなウワーォ!という声。外国人のファミリーがカメラを構えながら声を上げていた。「ふふん、日本ってイイでしょー」という鼻高々な気分になる。


鳥居のある湖畔には、石畳の遊歩道が続いている。市松模様に石が敷かれた遊歩道は、チェッカー・幾何学模様好きの私には、寄木細工同様、パラダイス!杉の大木と木漏れ日が映る石畳の風景は、和の極み。湖畔の風も心地よい。「和む」という気持ちとは、こういうものなんだ!と実感するひと時。相棒のSX-70を取り出し、シャッターを切る。気持ちが伝わったのか、相棒の機嫌が良かったのか、最高の写真が撮れた。
この遊歩道脇には所々に石のベンチが置いてあり、のんびりと芦ノ湖を眺めることが出来る。ボーっと湖を眺める人、絵を描く人、歩きつかれて休憩する家族、それぞれがそれぞれの和みのひと時を過ごしていた。


今日のお宿は、箱根登山鉄道 「強羅」 駅から徒歩1分の好立地にある 「季の湯 雪月花」 。
ここを選んだ決め手は、全室に露天風呂が付いていること。9ヶ月のガッツが一緒なので、とても有難い設備だ。今回、私たちは車で行ったが、電車利用の場合は駅近でとても便利なお宿だ。
強羅は坂だらけの温泉街。散策をするにも、病み上がりの私ぐらいの体調だと少ししんどい。チェックインをし、荷物を置いて少し休んだあと、駅も近いことから箱根登山鉄道箱根湯本駅まで行ってみよう!ということになった。私の目的は鈴廣のチーズかまぼこ、従妹の目的はスイッチバックの登山鉄道体験と箱根湯本駅の箱根ロール&菜の花の黒いまんじゅうの購入。TEAM食いしん坊、出動!


強羅駅から箱根湯本駅までは片道40分。スイッチバックが楽しくて、それほど長くは感じなかった。まだ、あじさいも少し咲いていて、あじさい電車の名残を楽しむことが出来た。さぁ、ここで問題がっ!片道40分×2(往復)=80分の電車移動。お宿の夕食に間に合うように戻るには、箱根湯本での滞在時間は20分ほどしかない。
お互い買いたいものはあるものの、駅前のお土産商店街は魅力的で、どれもこれも目を引く。お買い物ゲームのようにワサワサとお店を回り、無事に菜の花で黒いまんじゅう 「ご黒うさん」 を購入。箱根ロールは日持ちを考えて明日買うことにし、自分たちが食べるために箱根プリンを購入。卵型の容器に入っているプリンは濃厚でトロトロ。幸せの味だ。


お宿に戻って、夕食会場へ滑り込む。もう、体力的にはヘロヘロ。
雪月花の夕食は、鍋・和会席メニューと、しゃぶしゃぶ・天ぷら・寿司メニューのふたつから、好きな方を選ぶことができる。私たちは後者のメニューを予約してあり同時に、ガッツが居るので畳の半個室をお願いした。
食前酒の梅酒から始まり、先附、前菜、御造り、しゃぶしゃぶ、天麩羅、冷鉢、寿司、赤だし椀、水菓子と食べ尽くす。食事の無いガッツには、切り取るとお面になるランチョンマットの上にオレンジジュースとお皿、フォーク、スプーン、キャッチ付きの紙エプロンがセットされていた。とにかく大人たちは、もうお腹に隙間がない!というぐらいの満腹八兵衛。


雪月花のくつろぎウェアは浴衣ではなく、男性も女性も作務衣。この作務衣、寝相が悪くても浴衣のようにはだけることがなく、脱ぎ着も楽なのでとても重宝した。お寺の修行僧のような自分の姿も面白かった。作務衣の他に、男女とも浴衣の無料貸し出しと着付けのサービスがある。各お部屋には、可愛らしい鼻緒の下駄が置いてあり、浴衣での外出もOKとのこと。若い女性やカップルは作務衣を着ないで、浴衣を着ている人が多かった。私たちも浴衣が着たい!ということで選んだのがコレ。
ガッツには子供用の作務衣を借りて着せたところ、髪の毛も少ないので、まるで修行僧。9ヶ月のベイビーなのに、すごく似合っていた。


肝心のお部屋は、狭いタイプで36?の和洋室。ガッツがいるので畳がある方がいい。和洋室にして正解だった。右手のベッドエリアは畳から1段高くなっており、ここにベッドが並んでいる。この1段高いというのがポイント。腰掛けるのに丁度良い高さなのだ。高齢の方には着替えとかに便利だろうなぁ。私たちも座椅子ではなく、ここに腰掛けて夜飲みをしたし。
正面の窓からは緑が見える。ベランダはスノコが敷いてあり、裸足で出られるので便利。この窓、はめ殺しになっているので、障子右の襖から洗面所→シャワー室を通って出入りする。洗面ボウルは白い真四角の洋風、タオル掛けは棒の両端を紐で縛って吊るしてある和風、とお部屋同様、和洋折衷で素敵だった。


これが、ベランダに設置されている檜(ヒノキ)の露天風呂。
浴槽の周りは簾(スダレ)で囲うことができるようになっており、外からの目は気にならない。手摺り側の茶色い木枠が空いてて見えるじゃん!と思ったが、これには窓のようにスライドできる木の窓が付いていて、ぴったりと隙間が全てふさがるようになっている。すごい!
この写真の右手がシャワー室へのサッシドアになっていて、体を洗うにはシャワー室を使う仕様になっている。お湯は温泉ではないので、効能目当てに温泉に入りたいのであれば大浴場や貸切露天風呂へ。


お部屋の中で面白いと思ったもののひとつ、お抹茶セット。自分でお茶を点てて頂くことができる。従妹は、楽しい〜&美味しいと言いながら、慣れない手つきでお茶を点てて楽しんでいた。
普通の緑茶を入れる急須は鉄瓶で、お湯がまろやかな美味しいお茶を淹れることができる。冷蔵庫にはゼリーのお菓子が冷やしてあり、ペットボトル入りの雪月花オリジナルの水も人数分、入っていた。
この他にも、部屋にはお風呂に行くときのために和風の手提げ籠が用意してあり、洗面所のものとは別にバスタオルとフェイスタオルが入っていた。何て気配りだ!
癒しのサービスに満足、満足。

サービスといえば、中庭を通っている大浴場への通路脇にも嬉しいサービスがあった。
大きな壷に氷を入れ、その中に大量のヤクルトとヤクルト容器に入ったリンゴジュースが一緒に入れられていた。風呂上り、脱衣所に冷たい水が置いてあるのはよくあるが、部屋への帰り道でヤクルトまで無料で頂けるとは感激!
ポイントはヤクルトサイズにある。通りすがりにサッと手に取り、グィッと一気に飲める。もちろん、ゴミ箱もきちんと用意されており、風呂上りにサッ→グィッとやる人がたくさん居た。あー、生き返るわぁ!


夜、私は温泉大浴場や貸切露天風呂でひとり、温泉を満喫。ガッツ連れの従妹は部屋の露天風呂。せっかく温泉に来たのに温泉に入れないなんてかわいそうだなぁと思い、ガッツが寝た後、従妹に 「ゆっくり温泉に入っておいでよ」 と言い、私が留守番をすることにした。
眠っていながらも何かを察したのか、従妹が部屋を出て10分ぐらいでガッツが起きてしまった。そして・・・泣いた。小さな体が震えるほどの号泣!抱っこしても座らせても歌を歌っても、何をしても泣き止まない。泣き止まないどころか、もう震えがひどくなるほど泣き続ける。お願いだから泣き止んでくれぇ〜!と思いながらあやすが全くダメ。
いつもガッツが泣いた時に、従妹が水前寺清子の 「365歩のマーチ」 を歌っていることを思い出した。 「幸せはぁ〜歩いてこない〜」 と歌ってみると、泣き声がピタッと止んだ。これだ!と思って必死に歌い続けるが、焦っているため歌詞が思い浮かばない。途中から間違い始めたところまた、号泣復活!こんなことになるなら、ちゃんと歌詞を覚えておけばよかった。こちらも半べそで 「しぃあわせはぁ〜」 と歌い続ける。こっちが泣きたいゼィ!
格闘すること20分。やっと従妹が帰ってきて、ガッツはピタッと泣き止んだ。今度は本当に泣き止んだ。ミルクを飲んで、安心して眠った。


もちろん私も、疲労でぐっすり眠れた。あー、腕と腰が痛い。。。



箱根海賊船ホームページ   海賊船の他に遊覧船もあります。遊覧船はこちらのページです。

箱根寄木細工専門店 いづみや   からくり箱、インテリア雑貨など素晴らしい寄木細工がいっぱい!

箱根神社(九頭龍神社)   夏はイベントがたくさんあるのでチェックしてから出掛けましょう

箱根登山鉄道   途中3度のスイッチバックでは、景色が逆に流れる不思議体験ができます

和菓子 菜の花   真っ黒いおまんじゅう 「ご黒うさん」 はごまあん入りで、つやつやの黒い皮には竹炭が使われています

箱根カフェ   箱根ロールと箱根プリンは箱根湯本駅の改札を入らないと買えませんのでご注意を!

季の湯 雪月花   大浴場や貸切露天風呂もありながら、全戸に露天風呂が付いたお宿です