エスカレーターの手すり、つかまりますか?

エスカレーターの手すりにつかまりますか?」
そう聞かれたら私は 「いいえ」 と即答する。エスカレーターの手すりをガッツリ掴むのは格好悪い気がするし、手すり自体が清潔な感じを受けないからだ。手すりをつかむのは小さい子供とお年寄りだけ、という自分基準があるし。
百貨店や駅ビルなどでエスカレーターに乗ると、延々と 「危ないですので手すりにおつかまりください」 とアナウンスされ、「しつこいなぁ」 と思う。危ないと思ったらつかまるし、大丈夫だと思ったらつかまらないし、放っておいて欲しいわ、と。
乗っているのは自分だけではなく、小さい子供やお年寄りもいるのに、まったく自分勝手な思考だ。



この間、東京駅の中央線ホームに行く長い長いエスカレーターに乗ったとき、派手な手すりが目に付いた。青地の手すりに白い文字で 「手すりにおつかまりください」 と延々書いてある。上りも下りも、両脇にある手すりには切れ目なくずっと。青地に白文字は非常に目立ち、エスカレーターに乗っている間じゅう、視界にチカチカと入ってきて、嫌でも目に入る。
そこまでするかぁ?と思いつつ、乗っている人を見ると結構、つかまっている人が多いことに気付いた。子供やお年寄りだけでなく、サラリーマン風の人も若い女性も、手すりをつかんでいる。むしろ、つかんでいない人の方が少ない。あれ?私、少数派?このエスカレーターが長いから?手すりの表示効果なのか?

この後、エスカレーターに乗る度に、手すりにつかまるかどうかを観察するようになった。
駅、デパート、映画館など色々なところで観察したが、やはり手すりにつかまる人の方が多い。立ち止まらず歩く人の中にも、手すりをつかみながら歩く人も多い。いまどきの格好をした若い女子も、結構つかんでいる。
ありゃー、意外とみなさん、きちんとつかんでいるんだ。
周りの人に聞いてみたところ、「絶対につかまない!」 という人もいたが、「意識はしていないけど、そういえばつかんでいるかも」 という人が多かった。無意識のうちにつかんでいる人は、小さい頃から親に言われて育ったのかなぁ、と考えたり。


安全のためとはいえ、やっぱり自然とつかむようになるまでには、時間がかかるかなぁ。ちょっと遠慮したい気持ちは変わらないし。
ま、あと数年もすればバランス感覚も衰えて、必然的に手すりにつかまるようになるだろう。