アンデルセンのパン 「メルヘン大賞の本」 とメルヘンな思い出

昨日、午後出社シフトのHちゃんから、変わった形のパンを頂いた。わざわざ、焼き上がり時間を待って買ってきてくれたそうだ。
アンデルセンで販売しているパン、その名も 「メルヘン大賞の本」 。


本を開いた形のパンの上に鉛筆を模した細長いパンが載っていて、結構な重量!
本の方には、カスタードクリームとあんずのジャムが挟んである。このカスタードクリームが美味しい!甘ったるくなく、それでいて濃厚で、クリームそのものにフワフワ感がある。
このパンは、アンデルセン主催の 「メルヘン大賞」 の募集開始を記念して発売されたパン。Hちゃんは一緒に、応募要項のリーフレットも持ってきてくれた。以前、書き物をするのが好きだという話をしたことがあり、それ以来Hちゃんは、街中でこういう募集チラシを見つけると私に持ってきてくれるようになった。最近は、こういうものに応募できるようなモノは書いてないのだが、それでもその気持ちが嬉しい。

大賞に選ばれると、選考委員のイラストレーターが作画してくれて本になるそうだ。賞金30万円よりも、こっちの方が嬉しい。
昔むかしの学生の頃、『詩とメルヘン』 (サンリオ刊) という雑誌が好きで、毎月買っていた。 『詩とメルヘン』 は常に一般から作品を募集しており、入賞するとプロの方が詩に合わせた画を描いてくださる、とても魅力的な雑誌だった。
おおた慶文さんが書く女の子の画が大好きだった女子大生の私は、よく応募しては落選していた。あの頃は携帯電話もパソコンも普及しておらず、いまのように書いたものを簡単に世の中へ公開することもできなかった。知りたいことを検索してすぐに知識を得るということもできなかったため、分からないことは徹底的に自分の足で調べてまわった。とにかくあの頃は、自分の書いたものが活字になることだけを夢見て、詩でも小説でもエッセイでも、何でもかんでも紙に向かって書きまくっていた。
結果、何も実を結ぶことなく今に至っている。書き物は趣味のひとつとして私の中に残っているだけだ。ちなみに 『詩とメルヘン』 は休刊してしまったそうだ。


夜、家に帰ってアンデルセンのパンを食べながら、今でも部屋にたくさん残っている原稿用紙の入った引き出しを見つめ、「よーし、やってみるかー!」 と気持ちが盛り上がってきたり、 「うーん、心の汚れが溜まっているから、透明な作品は書けないかなぁ」 とウジウジしてみたり。食べ終わる頃には、そんなことを本気で考えている自分が可笑しくてニヤニヤしたり。


Hちゃんのおかげで、しばらく女子大生時代にタイムスリップできた。アリガト!Hちゃん。



アンデルセン   年明け1/10締め切りの 「メルヘン大賞」 応募要項はこちらから