Cocco 『花うた』 〜アルバム 『きらきら』 より〜

この間まで、街じゅうがバレンタインデー商戦で華やいでいた。
女の子がウキウキするイベント。楽しそうにチョコを選んでいるその顔は、溢れる幸せを止められない、そんな感じ。街の空気もキラキラ。そんな中にいると、聴きたくなる曲がある。


Coccoのアルバム 『きらきら』 に入っている 『花うた』 。
このアルバムが発売された時、webでライナーノーツが公開された。いまweb上で探してみたけれど、残念ながら見付けられない。
その時は全曲分をプリントアウトし、通勤電車の中で何度も何度も読んだ。 『花うた』 の部分を読む度に、涙が出て止まらなかったことを覚えている。いろいろあって、心が弱っていたからかもしれない。大好きなCoccoに励ましてもらっているようで、嬉しかったからかもしれない。
いま、手元に残っているそのコピーを読みながら、またちょっぴり、じんわりしている。
よーし、頑張るぞっ!全女子!胸を張れ!たくさん笑おう!

Cocco ライナーノーツより 『花うた』 】


桜が咲く頃、私はひとりの女の子に会いました。
とってもきれいな目をしたその子は15歳。
明日を恐れながら、それでも未来に高鳴る胸を必死に抱えて小さく笑う彼女が愛おしかったです。
15の頃、目に映るすべてのものが眩しくて汚くて残酷で愛しかった。
大切なものを失くしていくことが、大人になるということだと絶望していた頃。
でも大切なものを失くさなくても大人になれるということにいま大人になってから気付くこと。
あの頃、憎んでいたのは世界でも大人でもなく自分自身だったのかもしれない。
憎めないぐらい憎んで、傷つけたから。
愛されたかった。
どんな想いでも。愛されたかったです。
そんなふうに毎日をやっと繋いでいたけれど。
もう生きられないと思った時
私は自分を愛することをそっと決意。
ダレも愛してくれない、じゃあ誰が愛してやるんだ?
あたしが愛してやらねばby myself。
そんなこと言ってもまだまだ。私はその旅の途中。だから生きてます。
でもここまで来たからわかったことも山ほど。
ちゃんと愛されていたことも、強く愛したことも。
生きたいと願っていたことも。


多分必要なことはこれぐらいだったのかもしれないと想うよ。
たった一言。
「きれいだよ。」
鏡の前で真っ直ぐ笑ってみたかった。


全女子!胸を張れ!
教えてあげられるかな
鏡にはきれいな女の子。
お花がいっぱい。淡い色にも鮮やかにも。
ゆらゆら揺れてひらひら舞うよ。
あなたは、あなたが想うよりももっと
もっときれいな女の子です。
そして必ず、もっときれいになれる。
笑っていてね。