ほんのちょっとイイ話

数日前の仕事帰り、駅ビルの地下にあるお肉屋さんで、から揚げを買った。
いつもは店員のお姉さんが何人か居るのだが、閉店時間まぎわだったためか、お兄さんがひとりだけ立っていた。前田健に似た、ちょっと女子寄りな感じのおとなしいお兄さん。初顔だ。


「モモのから揚げを300グラムください」 とお願いしたところ、お兄さんは袋にから揚げを入れ、量りに載せた。
「290グラムですけど宜しいですか」 と聞くお兄さん。
うーん、300グラムちょい超えで 「少し出ますけどいいですか?」 と聞かれたら 「OKです」 と即答するのだが、オーダーしたグラム数よりも少ないとなると、何となく気分的にOKじゃない。


「うーん、気持ち、あと1個入れて頂いてもいいですか。ちょっとぐらい超えてもいいので」 と言うと、お兄さんは 「はい」 と答え、大きめのから揚げを選んでトングで摘んだ。
すると次にお兄さん、量りを止めてプライスシールを打ち出してから、袋にそのから揚げを入れた。


ん?と思いながらお兄さんを凝視する私。
するとお兄さんは 「追加の1個は、僕の気持ちです」 とサービスしてくれた。ひゃー!マエケン、やるじゃん!!
満面の笑みで 「わーい、ありがとうございます!」 とお礼を言って、お金を支払った。


風の強い帰り道、私の心はポカポカだった。ありがとう、マエケン!次回は困らせないように、グラム数じゃなくて個数でオーダーするね。