『立川談志 一門会』 よみうりホール

今日は18時半から立川流の一門会。会の前にはまつ毛のエクステ付けて、化粧品を買いに行って、ゴタゴタあって、それからよみうりホールへ。始まる前にロビーで腹ごしらえして万全の態勢。立川流は有名人にも人気があるので会場でよく見掛けるが、今日はいつも以上に多かった気がする。普通に客席に座っていると、なかなか気付かないモンだけどねぇ。あ、今日も物販はにキウイさんだった。←有名人??
いつも書いていることだが、私は評論家でもないし、落語通でもない。ただの 落語好き。ここに書いているのは落語評論なんてものではなく、ただの自分用記録なのであしからず。


最初は二ツ目の談修さん 『夢の酒』 。久しぶりだなぁ、談修さんの落語。いつ以来だろう。ピンクの手拭いが談修さんにぴったり!若い落語っていうのもイイなぁ。最近、観に行けてないことを反省。入り口の亭主を起こす場面のとき、 「あ、 『芝浜』 じゃありませんから」 と言って会場を沸かしていた。



次に談笑さん登場! 『壷算』 の現代版 『薄型テレビ算』 。さすが、談笑さん!この演目はもちろん、枕から会場は大いに盛り上がる。 「鳩山さんが、あそこまで与●郎だとは思わなかった」 と落語好きを笑わせた後、 「鳩山首相辞任に被害を受けた落語家がひとりいたんですねぇ。それは志らく師匠。出囃子が 『はとぽっぽ』 なんですよねぇ」 だって。そう言われればそうだな。来月の志らくさん舞台 『疝気の虫』 の枕で本人は何て言うのか楽しみ!とにかく面白かったなぁ、テレビ算。途中、こっちも店員と同じでワケが分からなくなってきて、掛け合いを楽しむどころか、計算の整理をしなければならなくって大変だったけど。壷算よりも頭を使うお話だわ。。。

続いて生志さんの 『お見立て』 。生志さんは、この会場で開かれた真打ち昇進の会で観た以来。また、体が大きくなった?
立川流らしいチョイ毒の枕だったが、笑い声が少なくなってきたところで 「これだけのお客さんだと賛否両論あるようで。この空間が楽しいんですけどね」 と言って、笑いを巻き返していた。さすがっ!私は生志さんの演じる女性が好きだ。今日の女性は花魁・喜瀬川で出番が少なかったが、それでも生志さんの女形は良かったな。訛りも生志さんの風貌にぴったりで楽しませてもらった。


お仲入り後、松元ヒロさんのコメディ。立川流の会にしょっちゅう出ている方だが、 「立川流には入っていないんですよ。入ると上納金を払わないといけないから」 だって。うふふ。
時事ネタから過去の首相まで、動きながらリズム良く笑わせる。 「 『たちあがれ日本』 っていう党名は石原都知事が付けたんですよね。命令形ですよ。日本に命令できるのは石原さんだけですよ」 、鳩山邦夫さんのことは 「兄のような顔をした弟」 、麻生太郎さんの顔真似では 「口の右側を上げるんですよ。自分からだと右肩上がりですが、国民から見ると右肩下がりなんですねぇ」 、麻生太郎さんのモノマネでは庶民を見下し 「渋谷の自宅敷地は東京ドームが丸々入る広さで40億円とも言われてます。 『40円置く』 んじゃないですよ、40億円ですよ」 等など、とにかく次から次へと笑わせてもらった。


最後は談志師匠。何と高座は無く、椅子がふたつ置かれる。家元登場で今日いちばんの拍手。あら、スーツ姿だわ。パンツの裾が広がった、今どき見ないラッパ形の白っぽいスーツ。これ、30〜40年前のスーツだそうだ。

先月の志らくさん25周年の時と同じ、 「声は出ないし、やる気はないし、もう落語はできない。談志の抜け殻がそこに転がっているだけだ」 という言葉から始まった。 「でも芸人だから、こうやって人前に出ると何かやらないといけない気持ちになる」 そうだ。ということは今日も落語じゃなくてジョークか、と思ったが椅子はふたつ。
ここで、山中秀樹さん登場。山中さん、自分で今日のチケットを取っていたそうで、客側の気持ちを汲み 「みなさん、家元の噺を聴きに来たのに何で家元ひとりじゃないんだ、というお気持ちでしょう」 アウェーな空気を読み取った様子。 「一昨日、ラジオ番組で一緒になり 『一門会、観に行きます』 と言ったところ、夜になって 『出ろ』 と連絡が来た 」 らしい。

そこから山中さんと家元のトーク。最初に山中さんが体調のことを聞いたところ、睡眠薬の話が長々と続いた。酒と睡眠薬を一緒に飲んでドロドロになっていた頃のこと、睡眠薬はいくら飲んでもいい、いまの楽しみは睡眠薬ぐらい、病院に入ったら逆に睡眠薬の量が
増えた (自分で飲んでいたときは酒と一緒に飲んでいたから少量で効きすぎていた) とか。肝臓や糖尿はインスリン効果で問題ないので、声以外は問題ないという。声帯が広がった状態で閉じないため、声が出し辛いらしい。
山中さんが 「声が戻ったらまた、落語をやりますか」 と聞いたところ 「常に新しいことをやらないと、と考える芸人なので。でも落語はやらない方がいい。こういう対話とかジョークとかいう見世物でいいならやるかもしれないが」 ということだった。
ここから、戦争を見にバグダッドに行った話や、とある国の女性キャスターのニュースの読み方、圓生襲名問題やそれにまつわるウラ話、など興味深い話が続く。


ここで水を持ってくるように袖に声を掛けた家元。そこで姿が見えた志らくさんを呼び、そのまま参加するように言われた志らくさんも加わる。出演予定はなかった志らくさん、普段着だから、と断るが座らされる。黒縁のメガネで、シャツの下のTシャツはたぶん、Green Day (グリーン・デイ) の American Idiot (アメリカン・イディオット) だ。
圓生襲名問題の流れで、山中さんが 「談志の名前は誰に継がせるんですか」 と聞いた。家元は 「うちの弟子は、他の落語家に比べて桁違いに良い」 としたうえで 「何も考えていないが、継ぐとしたら候補は談春志らく志の輔の3人のうちの誰かだろう」 とのこと。 「ただし、自分もこの3人も落語の質が全く違うので、談志という名前とかではなく、それぞれの質で育てばいい」 そうだ。 「この中なら候補としては志の輔がいちばん」 らしい。志らくさんは、良い意味で今にキチガイになるらしいから。
「談志という名前を他の人が襲名したら、家元の名前はどうなるんですか」 という質問に 「そりゃぁ、何でも良い。 『クリスマス』 でも 『お正月』 でも」 とのお答え。 「おきな (翁) と書いて 『談翁 (だんおう) 』 とかいいんじゃないか」 と言う家元に山中さんが 「木久蔵さんが木久翁さんになったみたいですね」 と言うと 「止めた!木久蔵がやったなら嫌だ!木久蔵と同じなんて嫌だ!」 とのことで談翁はナシに。それから戒名のこと、森繁久彌さんのこと、鳩山さんのこと、石原都知事のことなど、ネタは尽きない。


そろそろ終わりの時間が近付き、 「いつも来てくれている人も多いので恥ずかしいですが」 と言いながら、いくつかのジョークを披露。最後は 「ごめんねー」 と客席に謝りながらも、時間の許す限りジョークを続け、本日の会は終了。
家元は今、声帯の隙間が埋まるよう、コラーゲン治療をしているそうだ。治療効果が出て、またいつか家元の落語を聴ける日は来るのだろうか。



・・・今日の重量【前日比0kg、基準日比−3.4kg】 ← ここからが大変そうだなぁ。