「主人に相談してみます」

今日、仕事の関係で、とあるサービスの価格を調べる必要があった。時間は20時少し前。事務所には、準夜勤・夜勤の人と残業中の人など数名が仕事をしていた。ネットで見てもよく分からなかったため、ある会社のフリーダイヤルに電話し、個人客として問い合わせをしてみた。女性オペレーターは丁寧な応対で、いろんなオプションについても教えてくれた。ひと通り説明を聞き、注文するわけではないので最後にどうやって電話を切ろう、と考え、 「主人に相談してみます」 と言って電話を切った。保険のCMで、そう言っているのを聞いたことがあったから。独り者のクセにねぇ。


受話器を置いた途端、「主人」と言ったことがモーレツに恥ずかしくなり、照れ隠しで 「うわぁ、生まれて初めて 『主人』 って言っちゃった」 と言った。しかも、顔は照れ照れで真っ赤っか。すると、電話を聞いていた同僚たちが一斉にギャハハ!と笑った。そりゃ、そうだ。耳には入っていたんだろうけど、みんな我慢してたんだねー。
「主人って誰のこと?って思いましたよー」 とか 「ご主人、OKしてくれるといいですね」 などとひやかされ、 「もう、恥ずかしいからやめてくれー!」 とますます真っ赤になる私。
この間、 「うちの田舎では赤いほっぺのことを 『あがぺっぺ』 って言うんだよ」 と教えてあげた鉄子ちゃんは、私の席の前に立って 「 『あがぺっぺ』 ですよー!」 とほっぺをペシペシ叩きながら言い、ひやかし続ける。もう、勘弁してくれー!
それにしても、思い出すと本当に恥ずかしい。ひゃぁぁぁー!!っていう感じ。電車の中でも思い出し笑い (思い出しニヤニヤ?) をしてしまうほどだった。参った!


2〜3年ほど前まで私の上司だった人は、東大卒の固い人だった。固いというのとはちょっと違うかな。辞書で 『真面目』 と引いたら、この上司の名前が書いてあるのではないか、と思うほど真面目で有名だった。私の人生の中で、これほど真面目な人に会ったことがない。どんな仕事をしても真面目に一生懸命取り組む。人の悪口は決して言わない。頭がもの凄くいいので、全く別の業界から転職してきたのだが、いつの間にか業界の国家資格まで取得していた。



最初は正直、ウソくさくて面白くない上司だと思っていたが、少しずつ話をするようになってからは、とにかく根っからの真面目人間なんだ、というのが分かり、大好きになった。上司は、いつも私の愚痴を聞いてくれた。真面目なので、私に対してもです・ます調。何を言っても 「そうですねぇ」 とか 「そうですかぁ」 しか返ってこなかったが、それでも聞いてくれるだけで有難かった。


その上司、自分から仕事以外の話をすることはないのだが、質問をすると、きちんと答えてくれる。真面目だから。
何の話をした時か忘れたが、上司が奥さんのことを 「家内が」 と言った。その時の私、 「うわぁ、ステキ!」 と心がニヤニヤした。 「うちの奥さんが」 とか 「うちのが」 とかいう人が多い中で、その 「家内が」 という響きがとてもステキで、しかもそれが真面目人間の上司の口から出たので、ステキ具合が何割増にもなって、とにかく 「いいなぁ」 と思ったのを覚えている。私の周りで、奥様のことを 「家内が」 と言ってピッタリな人は、この上司しか居ないんだよねぇ。私史上、最高の 「家内」 だ。

残業を終え、会社を出るときに 「じゃ、主人が待ってるからお先に失礼しまーす!」 と言ったところ、まだ仕事中の同僚たちはまた、さっきのことを思い出してギャハハ!と笑っていた。もう、好きなだけひやかしてくれぃ!



・・・今日の重量【前日比−0.6kg、基準日比−2.2kg】 ← 乱高下を繰り返す体。大丈夫かぁ?