夏休み4日目 お客様 〜 宮沢賢治童話村

夕べも暑かった!朝、起きると下のちびが既に起きていた。 「おそよう!」 と挨拶をし、少し遊んでいると上のちびも起きてきた。昨日、ちびたちにお土産であげた 「マイクロペット」 。とても気に入ってくれて、早速それで遊び始めた。子供は元気だ。

マイクロペットとは、手のひらサイズの動物が、歌ったりボール遊びをしたり相互通信で相性診断したりするおもちゃ。ペットを置き、顔の前で 「トントン」 と音を鳴らすと、その回数によって色々な動きをしてくれる。最近のおもちゃは、よく出来ている。ちびたちは、小さい頃からモノ作りが大好き! 「将来は職人系だね」 といつも言われている。コレは下のちびの作品。マイクロペットのお家だって。ビニール紐を使って、ハンモックまで作った!子供の発想って凄い。ちなみにハンモックの下の小鳥は、おじいちゃんがデイサービスで作った小鳥。くるみをふたつ合わせてできている。ペットの友達として丁度いいサイズだね。


みんなで朝ご飯を食べた後は、仏様の棚作り。3段の棚にキラキラの布を掛け、上の段の打敷にお位牌、脇には写真、前にはお水・お茶、その下の段には両側に果物やお菓子、仏様用のお膳、いちばん下の段にはお菓子と果物、最後にお線香やロウソク・お鈴・香炉等を置く。両側には大きな花瓶に生けた花を飾り、行灯に明かりをつける。毎年、お盆に作っている棚なのに、必ず 「これ、どの段だっけ?」 「並べる順番、違ってない?」 とひと騒動。今年は凄く暑いので、みんな汗だくだ。


今日はこれから、亡くなったお義姉さんの弟夫婦とちびっこが仏様を拝みに来ることになっているので、急いで準備。お菓子と飲み物を少し追加しないと、とということで、買い物に行くことにした。 「一緒に行く人ー!」 と言うと 「はーい!」 とちびたちが付いて来た。ま、来ると分かってて聞くんだけどね。ちびたちのお目当ては、 「ひとり1個ねー!」 のお菓子だ。

うちから歩いて行ける唯一のコンビニが、デイリーヤマザキ。ちびたちと歩くと、寄り道ばかりでなかなか着かない。 「あの雲、何の形に見える?」 とか、用水路や小川で 「昨日の雨、ここも溢れたのかなぁ」 とか、 「あのお花、何ていう名前?」 とか、とにかく真っ直ぐ歩かない。そしてコンビニが見えた途端、へばった私を放置し、ちびっこたちはお店に向かって走り出す。何て酷い・・・ぐすん。
すると、ふたりが大声で 「Lちゃーん!早く来て来て!」 と私を呼んでいる。何かと思ったら、お店の入り口ドアの取っ手にバッタがいた。うわー、田舎らしいエピソード!そして、バッタなんかには全く驚かないちびたち。都会っ子だったら 「キャー!」 って叫んでるね、きっと。自然の中で育っている子供は、たくましい。


10時半ぐらいに、お客様が来た。亡くなったお義姉さんの弟とその奥さん、そして1歳9ヶ月の双子ちゃん!私もちびたちも、まだ双子ちゃんには会っていなかったので、とても楽しみにしていた。女の子の双子ちゃんは、お揃いのお洋服を着てきた。可愛いー!二卵性の双子ちゃんなので、お顔も違うし、髪質もクリクリ天パーとサラサラストレート。それでも、1分違いでママのお腹から出てきたのよね。不思議だわぁ。

ひとりが2500グラム近くあったそうで、ママは5キロ近いお腹を抱えての臨月が大変だったそうだ。とても体の細い、スレンダーママだもんねぇ。双子ちゃん、性格も全く違うそうで、うちに来てもそれぞれバラバラに遊んでいた。そんな双子ちゃんが揃って興味を持ったのが、DVD機器のボタン。子供って、リモコンとか機械のボタンを押すのが好きだもんねぇ。テレビ台のガラス扉を開け、ふたりでいろんなボタンを押してはパパとママに注意されていた。並んだ後姿がホント、可愛いねぇ!主に手を出すのが左のお姉ちゃん、右の妹はそれをじーっと見て、お姉ちゃんが飽きたら自分もやってみる。確かに全く違うね。うちのちびたちも、こんなに小さかったんだなぁ。可愛いお客様のおかげで、楽しい時間を過ごすことができた。


双子ちゃんが帰ってから、みんなでお昼ご飯を食べた。食べながら、あまりにも日差しが強くて暑いから、お墓参りは夕方に行くことに決めた。午後、お兄ちゃんは、教え子の初盆なので仏様を拝みに行く予定がある。 「私達は午後、どうしよう」 と言うと、お兄ちゃんが 「童話村にでも行って来たら?」 と言った。ちびたちが 「行きたーい!」 と言うので、童話村に行くことに決定!私は上のちびが小学生の時に一緒に行った以来だ。とはいえ、場所は昨日行った宮沢賢治記念館の向かいなんだけどね。下のちびも幼稚園の遠足以来とのこと。おばあちゃんも加わり、4人で行くことになった。おじいちゃんは、外歩きは暑すぎるからお家でお留守番するって。


「銀河ステーション」 というアーチが童話村の入り口。そのアーチをくぐると、目の前に広がるのがこの風景だ。

左手に見える白い大きなテントは、イベント開催時に使うステージ。今日は暑いので、テントの日陰になっている階段に座って休んでいる家族がいた。ステージ前は芝生広場。とってもとっても広くて、寝転ぶと気持ちイイ。
テントの右手奥に見える高台のログハウス群は 「賢治の教室」 。小さいログハウスが連なっていて、自然の色々に触れたり学んだりすることができる。学ぶといっても机があってお勉強するのではなく、工夫を凝らした展示で楽しく学ぶことができる楽しい教室だ。


左端に見えるのが、さっきの写真のログハウス群。右手に見える時計塔と白い建物が 「賢治の学校」 。
5つのゾーンに分かれていて、賢治の童話の世界に入り込んだような体験ができる。ここは、私も大好きな場所。中がとても素敵なんだなぁ。
写真右に大きな木が見えるが、この木の右側一帯は緑の木々でいっぱいの 「妖精の小道」 。小川が流れ、大きな鯉のいる池もある。山の中に遊びに来たような、緑いっぱいで水のある風景。小川沿いは日陰になっていて、涼しく気持ちがイイ。


まずは 「賢治の教室」 へ。上の写真でいうと、白い筒状の建物の右側から建物へ向かう。
白く丸い建物の周りは、低い階段状になっている。この写真の奥から手前に向かって歩いてくると入り口があるのだが、この階段はとても不思議。ステップを下りながら歩いているのに、実際はどんどん上っているのだ。上り坂なのに階段は下り。暑さも手伝って、頭がおかしくなったような気になってくる。
何で?何で?何で?


建物入り口で入場料を払い、いよいよ5つのゾーンへ。さぁ、何が待っているのかな?


【ファンタジックホール】
真っ白くて天井がもの凄く高い、丸い部屋。その正面には、大きな大きな木。描かれているのは、星が輝く童話の世界。この木以外は真っ白い壁だけなので、とても象徴的な木。木の前には真っ白いキャベツの椅子がある。ちびたちが座っているのは、キャベツ椅子の両脇の椅子。この部屋には、丸い壁に沿って等間隔で椅子が置いてある。どの椅子も真っ白で、童話に出てくるモチーフからデザインされており、ひとつひとつが変わった形をしている。優しく幻想的な音楽が流れていて、明らかに日常とは違う世界に迷い込んだと感じる。ちびたちと比べれば、この木や天井がとても大きく高いのが分かるかな?
これは、離れて座るちびたちと大きな木が1枚の写真に収まらず、困っているおばあちゃんの図。


【宇宙の部屋 − 大きな生命たちのきらめく世界】
先ほどの部屋とはガラッと変わり、暗闇にキラキラの赤や青の光。かなり暗いのと、鏡張りでどこが床なのか壁なのか全く分からず、手すりを伝って歩かないと、どっちに進んで行ったらいいのかも分からない。しかも、手すりは真っ直ぐな棒ではなく、クネクネに波打っているので、これもまた私たちを迷わせる。上も下も横も関係ない宇宙。歩いているのか浮いているのかも、よく分からなくなってくるよ。 「巨大な万華鏡の空間」 ということだが、本当に万華鏡の中に迷い込んだような感じだ。
宇宙って、私たちの日常概念は全く通用しない、別世界なんだねぇ。


【天空の部屋 − イーハトーブを吹き抜ける風の世界】
暗く丸い部屋の壁には絶えず雲が流れている。つまり、風が流れ続けている。ちびたちが歩いているところは、4枚の強化ガラスを支えている部分。ガラスの上も歩けるのだが、ちびたちもおばあちゃんも怖がってガラスを踏めずにキャーキャー言っていた。その強化ガラスの下には巨大な画面があり、空から見たイーハトーブの森や田園が次々と映る。まるで、自分が風になって空を駆け抜けているような感覚。円形の壁に映る雲と自分が一体になる。何て気持ちいいんだー!


【大地の部屋 − イーハトーブに生きとし活けるものたちの世界】
大きなアリやカマキリの顔、草や木の巨大ジオラマの部屋。ちびの右にいるのはカタツムリ。こんな感じで、自分が小人になって森の中に迷い込んだような、そんなことを感じることができる世界だ。壁から昆虫の体の一部が飛び出していたり、頭の上を猫が飛んでいたり、とにかく小人の自分は周りの虫に驚いたりニヤリとしたり。この空間に居ると、いろんなストーリーが頭に浮かぶ。
まるで、童話の主人公になったような気分が味わえる素敵空間だ。

最後は 【水の部屋−うつろう青い魔力の世界】 。実は写真が・・・ない。壁にゆらゆらと水の中にいるような光の揺らぎが映り、水の動きを表現した電気の角柱 (行灯みたいな感じの柱) が何本か立っている。まるで、水の底にいるような気持ちになる。プールや海に深く潜って、水面を見ている時の映像って言えば分かるかな。
なぜ写真がないかというと、外に出たくない、というか、この学校を出るのが惜しい子供たちがいっぱいいて混んでいたから。ここを出たら、学校も終わりなんだもんねぇ。私もα波がいっぱい出たな、きっと。
これで 「賢治の学校」 は終了。


次は 「賢治の教室」 だ。連なる教室 (ログハウス) は童話村を見下ろせる高い場所にあるので、木で組まれた階段を上がって行く。この教室では、賢治の童話に出てくる動物や植物などについて、いろいろ知ることができる。賢治の童話を読んだことがあると、より楽しめるかな。


【石の教室】
「石っこ賢さん」 と呼ばれるほど鉱石に精通していた賢治。童話にもたくさんの鉱石の名前が登場する。この教室では、いろんな種類の鉱石の実物が展示・説明されていて、見比べたりキラキラの輝きを見たりすることができる。
写真にはカラフルな壁が写っているが、これが天井までこのデザインだから凄い。鉱石を削り出した状態のようなデザインで、テーマにピッタリだ。


【鳥の教室】
鳥も、賢治童話にはよく登場する。宮沢賢治記念館の入り口脇には、 『よだかの星』 の彫刻碑があるし、入り口正面にはフクロウ像がある。花巻市の 「市の鳥」 は、フクロウだ。この教室では、それらの鳥について学ぶことができる。
面白いのは、天井近くに等間隔に飾られた鳥。これは全て、自然の木や枝を組み合わせて作られている。枝の形状をそのまま生かしているので、ひとつとして同じ鳥はいない。


【星の教室】
青い夜空をイメージした室内には、星がいっぱい!写真右手前のディスプレイを覗くと、立体的な星の世界を感じることができる。その奥はすい星の説明とディスプレイ。
左奥に見える丸い盤は、オリジナルの星座を作って夜空に飾ってみようというコーナー。丸い盤の上の四角いボードは、盤から外すことができる。それを教室内にある作業台に持って行き、赤と白の丸いマジックテープでできた星を自由に並べ、星座を作る。完成したらそれを先ほどの大きな丸い盤にぺったり貼り付け、盤を回転させてみる。自分の作った星座が夜空をぐるっと周る様子を体験できるというワケだ。


【動物の教室】
ここは、とても可愛らしい教室だった。賢治童話に出てくる動物やその作品が紹介されているのだが、とにかく展示が可愛らしい。
写真はクマの説明。壁 (ボード) がクマの形に型抜きされ、奥から光を当てることで、暗い教室に動物の姿が白く浮き上がって見える。この型抜きのサイズは子供よりも大きいく、キツネ、ネズミなど色々いて楽しい。その脇には全て紙で作られた立体の動物もいて、これがまた可愛らしい。


そうそう、どの教室にもある、この四角い箱。これは、いわゆる体験ボックスだ。その教室のテーマに合わせた体験ができる。例えば、鳥の教室にあるボックスだと、鳥の鳴き声を聞くことができる。
これは動物の教室のボックス。 「動物たちに触れてみよう!」 とあり、穴の下には 「箱に手を入れてみてください。どんな動物を想い浮かべますか?」 とある。実際に手を入れてみると・・・箱の上下左右、おまけに奥の面まで、動物のふさふさの毛でいっぱい。手触りは面によって全て違う。長くて柔らかい毛もあれば、短くてゴワゴワの毛もある。その感触から、動物を想像するのだ。答えを求めるクイズではなく、 「想像」 することを目的としているのが素晴らしい!


【植物の教室】
「本当の農民」 になるために教師を辞め、力を注いだ賢治。童話にも身近にある植物がたくさん登場する。ここは、それらをガラスケース内に展示し、その植物を説明している教室。これは、カタクリとツメクサの展示。手前真ん中辺りをよく見ると、シロツメクサで編んだ花冠があるのが分かるかな?



小物を使った、可愛らしく、懐かしい感じのする展示もあった。展示の左に見える四角いパネルが、植物の説明。


そうそう、ということがもうひとつあった!
ひとつひとつの教室 (ログハウス) の正面には、その教室のテーマとなっているもののモチーフが付いている。
これは植物の教室なので、モチーフはお花。子供たちは、これを見て、次の教室のテーマを想像し、ウキウキしながら教室に入っていくのだ。

オマケ。教室の売店で売っていたお茶、その名も 「じっ茶ばっ茶」 。岩泉の会社が作っているらしい。じぃちゃんとばぁちゃんのイラストにギャハハハ!


はー、ほんの数時間だったけど、いっぱい遊んだー!という感じ。帰りの車の中では、みんなで童謡を歌い続けた。おばあちゃんが歌詞を間違い続け、ちびっこたちは大ウケ!だってね、 「森のくまさん」 でクマがお嬢さんにやっと追いついて貝殻のイヤリングを渡そうとしたのに、おばあちゃんは 「スタコラサッサッサノサー」 って歌うんだもん。せっかく追いついたのに、またクマさんは追いかけないといけないのー?と、みんな大笑い。
そのままスーパーに寄り、お盆用のお菓子や追加のお花、夕飯の買い物などをして家に帰った。



それから全員が合流し、お花の準備をしてお墓参りへ。
お義姉さん、ちびたちはこんなに大きくなったよー!亡くなる2日前に生んでくれた下のちびは、もう小学3年生になったよ!水泳が上手で真っ黒に日焼けしてて、この間は水泳大会にも出たんだよ。あのとき幼稚園児だった上のちびは中学生になったよ!部活は吹奏楽部に入って頑張っていて、野球応援の演奏やコンクールで忙しくしているよ。早いねぇ。。。
ちびたちは、暑くてお母さんものどが渇いていただろうと、お墓にお水を何度も何度もかけていた。お義姉さん、冷たくて気持ち良かったでしょ?

その後、全員でレストランに行って賑やかな夕食。おじいちゃんのエビ天やおばあちゃんのいくらの軍艦巻きは、ちびたちのお口の中へ。私もよくこうやって、好きな食べ物をもらったなぁ。
満腹で家に戻り、ちびたちと最後のお風呂タイム。 「本当に、明日帰っちゃうの?」 と聞くちびたちに、 「そうだよ。だから、明日からは私がいなくても、ちゃんとひとりで泡洗顔してね。女子はお肌が大切なのよー!」 と女子教育。ちゃんと守れるかな?
今日も5人で、おやすみなさーい。。。



宮沢賢治童話村   宮沢賢治の童話を知らないお子さんも楽しめる、楽しい施設です。

 「銀河ステーション」 をくぐると、そこには童話の世界が広がっています!



【今日のポラロイド写真たち】 なかなか学習しない、SX-70でのPX600の取り扱い。