美人の日本語

台風が秋を連れてきた・・・のかな?日中はさておき、朝も仕事帰りも涼しかった。朝晩だけでも涼しいと大分、体が楽だ。9月だもんねぇ。人間は汗を掻き掻き、野菜は元気なし、お魚も不漁なんていう毎日なんだから、風ぐらい秋を感じさせて欲しいもんだ。昼の雲、夜の月、虫の声、紅葉、秋には自然がいろいろな表情を見せ、聞かせてくれる。



私が週に何度も開く本、山下景子さんの 『美人の日本語』 。去年、友人Cちゃんからもらった本だ。Cちゃんは、私にとってのお月様事典。 「お!今日は月が真ん丸じゃん?」 と思ったときはCちゃんに 「今日、満月?」 とメールする。すると即レスで 「今日の月もキレイだけど、満月は明日だよー!」 と教えてくれる。普段の会話の中ではお互い少し照れがあって、そんな季節を感じる話なんかしないのだが、メールだと 「曼珠沙華がいっぱい咲いてるよ」 とか 「夕焼けが凄くキレイだよ」 なんて教えあう。不思議な関係の私たち。そんな彼女が、私が入院する前日にくれた何冊かの本の中にあった一冊。手術が終わって退院するまで、そして仕事復帰してからもほぼ毎日開いているお気に入りの本だ。


毎日開いても飽きないのには理由がある。これは山下景子さんがメルマガで発信していた、美しい響きの古きよき日本の言葉を一冊にまとめた本。365日の目次になっており、1日ひとつ、素敵な言葉が紹介されている。


例えば、仲良しの従妹の誕生日である8月10日。この本で紹介されている中で、私が好きな言葉のひとつだ。

【真帆片帆  まほかたほ】


真帆は、順風の時、帆をいっぱいに張り、追い風で走ること。片帆は、横風のとき、帆を一方に片寄らせて走ること。そして真帆片帆は、それらを操作しながら帆走している様子です。
〜涼しさや 淡路をめぐる 真帆片帆〜 (正岡子規
かつての日本の海では、こんな風景がいつでも見られたのでしょう。
人生も順風の時ばかりではありません。
逆風の時、風向きの悪い時は、まともに受けず、帆を半分にして受け流していくこともひとつの知恵ですね。
たとえば、心の中で 「真帆片帆、真帆片帆」 と繰り返しながら・・・・・・。
語感のいい美しい響きが心の中に広がって、すぐに追い風が吹いてくるような気がしてきませんか。


山下景子さんのメルマガの冒頭部分にはいつも、こう書かれている。

〜日本語には、美しい言葉がたくさんあります。
  言葉には、言霊といって、魂があると信じられていました。
  美しい言葉の切れ端を、たくさん心に集めるだけで、魂が輝きだすかもしれませんね。
  誰かに伝えたい言葉、自分の心にそっとしまっておきたい言葉、みんなで味わいたい言葉・・・。
  そんな言の葉を、ひとつずつあなたのもとにお届けします〜


こうやって、素敵な言葉をひとつずつ覚えていくと、心が柔らかくなっていくというか、ほわほわになっていくというか、何とも表現し難いが、とにかく体の中からキレイに、豊かになっていくような気がする。誰かに教えたいわけでもなく、自分だけが読んで静かに楽しむ本だ。この本を読んでいるときは、自然と口角が上がってくるから不思議だ。



今日、お誕生日の方へ、9月9日の言葉をご紹介。

【弟草  おととぐさ】


昔の人は、一年の中で他の花に先駆けて咲く梅を花の兄と考えました。そして、遅れて咲く菊を、弟に見立てて弟草と呼んだのです。
弟は、 「乙人 (おとひと)」 が変化したもの。 「乙」 は、男女の別なく、若いことを意味します。 「乙女 (おとめ)」 もそうですし、浦島太郎に出てくる 「乙姫さま」 も、きっと、妹の姫君だったのでしょう。
九月九日は重陽節句。杯に菊の花を浮かべ、宴を催したそうです。
大菊、小菊、色も形もさまざまで、本当にたくさんの品種があります。
寒くなっても、寒菊、冬菊と呼ばれながら、年の終わりまで楽しませてくれる花。かわいい弟を愛でるように、古くから日本人に愛されてきたのですね。威厳や、神々しさなども併せ持ち、今では、桜と並んで日本の国花です。
小さな弟が立派に成長した姿を見るような感覚がよぎります


お誕生日、おめでとうございます!


〜夢の言の葉〜  山下景子さんの公式サイトです



・・・今日の重量【前日比+0.2kg、基準日比−2.4kg】 ← こうやって徐々に戻るんだよねぇ。。。