立川談笑 月例独演会スペシャル 其の107回 銀座夜話2DAYS 初日


昨夜の雨の影響なのか、やたら蒸し暑い日。それでも秋なんだよねぇ。夜はムシムシながらも少し涼しくなった。
そんな今日の夜は、立川談笑さんの落語会 「月例独演会スペシャル 其の107回 銀座夜話2DAYS」 の初日。月例だけど今日は国立演芸場ではなく、銀座の博品館劇場。しかも2DAYS。仕事の都合で初日しか来られない。なんてこった。
博品館劇場は椅子との相性が悪い。古くてクッションの利いていない椅子は、長く座っていると腰やお尻が痛くなるため、体を少し動かさないといけない。今日も周りのお客さんはしょっちゅう、腰を少しずらしたり、背もたれから体を離したり、いろいろソワソワしていた。
今日の独演会、演目は 「真景累ヶ淵〜豊志賀の死」 他2席、と発表されていた。 「真景累ヶ淵」 は円朝創作の落語。しかも、ものすごく長くて人間関係が複雑。いつもの月例は 「今日は何が聴けるかなぁ」 と聴きに行くが、今日はさすがに予習が必要、といつになく色々と頭に入れてから行った。楽しみでもあり、ちょっと緊張気味でもあり。やたらトイレに行きたくなる。


出囃子に七色照明の中、談笑さんが高座へ。今日は円朝噺をやるということで、かなり緊張している様子。今日は後半のために、前半は好きな噺しかやらない!とのこと。その好きな噺は 「堀の内」 と 「天災」 だった。

「堀の内」 は、いつ聴いても楽しい。要所要所にポトっと落とされる談笑エキスがたまらなく面白い。それは 「天災」 にも言えること。だから談笑はやめられないし、たまらない。
「天災」 で、八つぁんを心学の先生が諭す場面がある。会場がしーんと静まり、まるで会場中が先生に諭されているような空気になる。体がぞわぞわするほど、談笑さんの落語に引き込まれている自分を感じる瞬間だ。はうーっ、たまらん!談笑さんが二枚目俳優のように見えてくる。ぽへーっとしながら 「いま、いい顔してたなぁ」 と思った。今日はかなり前の方の席だったので、表情がよく分かった。いい顔してた瞬間がたくさん観られたので、いつも以上に談笑さんを満喫!


お仲入り後、いよいよ 「真景累ヶ淵〜豊志賀の死」 。幕が開くと、高座は前半の赤から濃紺に変わっていた。噺に合わせて、だね。そして、黒紋付に着替えた談笑さんが登場。黒紋付姿に会場のあちこちから 「うぉー」 という声が上がった。


円朝噺は長い。普通の落語は映画のように完結するが、連続ドラマのように続く。今日はここまで、という形で終わり、お客はまた次の日に続きを聴きに来る。そうやってだらだらと続く。そんな噺を今日は、ひとつにまとめた。
円朝落語は、あの時代から殆ど変わっていない。それをいかに談笑風にするか、いろいろ考えた。下手すりゃ、 「談笑、何やってんだぁ?」 と叱られてしまう。プレッシャーもある。


そんなことを言ってから始まった 「真景累ヶ淵〜豊志賀の死」 。談笑さんだけでなく、お客さんの方も緊張しているような会場の空気だった。会場中がシーンと聴き入っていた。
面白かったなぁ。豊志賀の部分を切り取った噺になっていたが、その前のゴタゴタも豊志賀の言葉や新さんの言葉に取り入れられていて、複雑な人間関係が分からない人にも、分かっている人にもよく理解できるようにまとめられていた。
よく、素晴らしくいいモノを観たり聴いたりした時に、 「これはしっかり自分の中にだけ静かに収めておきたい」 と思う。今日は、そんな感じの落語を聴いてしまった。
あぁ、明日の聖天山が観られないのが残念でならない。。。何とか仕事を休めないものだろうか。。。



・・・今日の重量【前回比0kg、基準日比−2.0kg】 ← 実は先月の最終表示日以降、恐ろしいほどの増減がありました。