誰に似ているの?

今朝のこと。会社の近くの一方通行の道を、1台の車がゆっくり逆走してきた。ダメじゃん!その営業車には、運転席と助手席に作業着姿のおじさんが会話をしながら乗っていた。思わず、声は出さなかったが 「あーーーっ!」 と口を丸く開けた。
すると、車に乗っていたおじさんふたりが一瞬、顔を見合わせた。かなりトロトロ走っていたので、その様子はよく見えた。すると、不思議そうな顔をしながらも即座に笑顔を作り、 「どうも!」 と口が動いた。そして頭を下げ、そのまま走り去った。
ん?何だ?と考えてみた。私の分析結果は、こうだ。


一方通行を知らなかったのだから、この辺りじゃない会社のおじさんたち。道に迷いながら目的地を探し、トロトロ走っていた。すると脇道から、自分たちの会社を知っている私が現れた。しかも、こんな場所で偶然!みたいに驚いて 「あーーーっ!」 という顔をした。おじさんたちは私の顔に覚えは無いが、ボディに社名が付いた営業車に乗っているから、出入りしている会社の社員だろうと思い、とりあえず挨拶をして走り去った。
そんな感じかな。


きっと走り去った後のおじさんたちの会話は、 「今の誰だっけ?知ってる?」 「いやぁ、知らないなぁ」 「誰だっけなぁ」 「うーん、誰だろう」 だ。いやいや、違うし。しかも、一方通行を走り続けて行っちゃったし。両手で大きくバツ!ってやれば良かったなぁ、と反省。ごめんね、おじさんたち。


そういえば、今の前の前のマンションに住んでいた頃、こんなことがあった。
マンションから駅までの道の途中に、バイク便の会社があった。バイクの台数も多く、いつも会社の前にはヘルメットを被ったお兄ちゃんたちがたくさんいた。
で、ある朝、ひとりのお兄ちゃんに 「あっ、どうも!おはようございます!」 と言われた。 「あれ?知り合いじゃないし、ここのバイク便、使ったことがないのに何で?」 と思って周りをキョロキョロ見回したが、他には誰も居ない。明らかに私に対する挨拶だ。どうしたらいいか分からず、とりあえず頭だけ下げて通り過ぎた。


しかし、これは単なる始まりにすぎなかった。
それからというもの、そのバイク便の前を通るといろんな人に 「どうも、こんちわッス!」 と笑顔で頭を下げられるようになった。その度、頭の中は 「誰?何で私?」 と 「?」 だらけ。とりあえず、申し訳ないので頭だけは下げたけど。
最初の頃は、 「あー、ここの会社は、 『地域に愛されるバイク便になろう!運動』 みたいなものをやっていて、誰にでも挨拶することになっているんだな」 と思った。でもねぇ、私以外の人には挨拶していないんだよねぇ。明らかに私の顔を見て、挨拶してくれているんだよねぇ。しかも笑顔で。
気になったのは、みんなが最初に付ける 「あっ、どうも!」 だった。知り合いじゃなかったら、こんなことは言わないもんね。友達に話したところ、 「取引先の誰かにソックリなんじゃない?世の中には自分にソックリな人が3人いるって言うじゃない」 とのことだった。それにしてもねぇ、世の中といっても、こんな狭い地域で、しかもいろんな人が挨拶するほどのソックリさんって。見てみたいわっ!


結局、その町は2年で引越しちゃったけど、かなり挨拶されたなぁ。あのバイク便の会社って、まだあるのかな。久しぶりに行ってみたくなっちゃった。
「あっ、どうも!お久しぶりですねぇ」 なんて言われたら、ターゲットは私だったという証拠だ。 「あっ、昨日はどうも!」 って言われたら、私のソックリさんが確実に存在するっていうことだ。 「えーっ、生きてたんですか!?」 って言われたら・・・そりゃ、幽霊だ。
何だか、すごく面白くなってきたぞー!



・・・今日の重量【前回比+0.2kg、基準日比−4.0kg】 ← 増えた理由は分かっている。それはまた明日。ゲフッ!