お友達の話

私には、元気をくれる大好きな友達がいる。
今は遠く離れて住んでいるけれど、その友達の存在は凹んだ私を励ましてくれる。言葉を掛けてもらうわけでもなく、電話をするわけでもなく、その友達の生き方を想うだけで 「よし、頑張ろう!」 と元気が出る。


彼女との出会いは十数年前になる。その頃、私は銀座に本社のある会社で働いていた。彼女も同じ銀座に本社のあるグループ会社で働いていた。当時はお互いの存在を、全く知らなかった。何事も、世に先駆けて実行に移す会社。バブルがはじけるとすぐに、何度かに分けて大量の人員をたくさんのグループ会社へ出向させた。何度目かの出向計画の中のひとつに、岩手のリゾート地があった。
私はそのリゾート地にあるホテルを販売する部署にいた。出張で行ったこともあった。通常はホテルとして運用し、自分が使いたいときには自由に使える。しかも1室毎の販売ということで、バブル期は面白いように売れた。出向人員を選ぶ段階で、その部署に所属且つ岩手出身の私は、矢がド真ん中に刺さってしまった。田舎が嫌で東京の大学に進んだ私には、本当に信じられない辞令だった。内示を受けた後は、毎日毎日、仕事中も泣いていた。仕事を抜け出し、銀座の街を泣きながら歩いた。でも、とりあえず行くしかなかった。


一方、八戸市出身で学校を卒業後、東京の会社に就職したものの、もともと動物が大好きな彼女は、自ら出向を志願。自分には自然いっぱいで牧場もあるリゾート地の方が向いていると思ったそうだ。何事もポジティブな彼女と、ネガティブな私。全く真逆のふたり。唯一の共通点は、同じ年齢ということだけだ。


冬のリゾート地に着き、私たち出向組の数十人は、寮やゴルフ場のコテージに住むことになった。私は、銀座の同じフロアーで働いていた2歳上の先輩とコテージで二人暮らし。後に聞いた話では、私と同じ部屋になった先輩は、会社からこう告げられたそうだ。 「Lは今回の出向者の中で、いちばん心配だ。内示の後も毎日、仕事中に泣きっぱなしだ。だからお前と同じ部屋にしたから、頼む」 と。先輩はとっても明るくて、誰からも好かれるステキな人だ。そして、こうも言われたそうだ。 「職場の方も、Lのことを考えて配属をしたから」 と。その職場の方の私のお仲間が、同い年の彼女だった。私はみんなに守られていたのだ。



リゾート地には、季節ごとに大きな人事異動がある。冬はスキー場やホテルへ大量異動、夏はゴルフ場へ。数ヵ月後、異動に伴い、コテージでも人員の入れ替えが行われた。私は同い年の彼女と同じコテージで二人暮らしをすることになった。この生活は楽しかったぁ。部屋を変なグッズでいっぱいにしたり、同僚を集めて飲み会をしたり、よくスキーに来るお客さんを泊めてあげたり。コテージの木の壁の隙間から雪が吹き込んで廊下に雪が積もったっけ。軽トラで荷物運びをし、車体が半分、コテージ脇の池に落ちそうになって男子寮に助けを呼びに走ったこともあった。うちに遊びに来た帰り、池に車ごと落ちて、新車を廃車にした同僚男子もいたなぁ。私はゴルフ場へ、彼女は念願の乗馬クラブへ。馬の世話ができるとあって、彼女は本当に楽しそうだった。



数年後、私は東京へ戻り、彼女は別の農場で働き始めた。彼女のそこからの日々は以前、テレビ番組 「奇跡体験アンビリーバボー」 で放送された。私と一緒に住んでいた時に働いていた牧場で処分されそうになった大きな馬車馬、大ちゃん (写真) を引き取り、別の農場で働きながら大ちゃんを育て、何もない土地を探して整備し、自分で馬牧場を作った彼女。試練の連続でも夢を諦めず、実現した。馬への愛情と自分の夢のため、とにかく彼女は一生懸命だった。
大人が夢を実現するまでの自分の体験を発表する素晴らしいイベント 「ドリームプラン」 の第1回優勝者が、彼女だ。よく笑い、よく泣き、とにかく表現がストレートな彼女は、涙を流しながら夢の実現までをプレゼンし、会場全てが彼女の夢の実現を喜び、心から感動した。



会社を作って丸8年。いま彼女は、まだ夢の途中だという。常に夢を持ち、実現に向かって歩く彼女は、とても輝いている。彼女を想う時、何もない空っぽの自分を思い知らされ、 「何やってんだぁ?私」 と嫌になる。そして 「このままじゃぁ、ダメだぁ!!」 とリセットする。この繰り返し。ダメダメになったとき、リセットスイッチを押してくれるのが彼女の存在なのだ。


今年の夏は久し振りに八丸牧場に行って、彼女のガハハハハ!笑いを聞いて、馬たちに触れて、元気をもらってこようっと!
さぁ、リセット完了。今日も一日、頑張るぞー!

八丸牧場・・・キッズ向け牧場体験の写真は何と、私のお母さんとチビたち!彼女のブログもおススメです。



・・・今日の重量【前回比−0.2kg、基準日比−3.8kg】 ← お野菜生活継続中。お肉、食べたい!