やっと・・・

お兄ちゃん家族の無事が確認できた。やっと・・・全身の力が抜けた。
お母さんからメールで連絡があり、すぐに携帯電話に連絡してみた。何度目かにやっと繋がった。お母さんは涙声で、何を言っているか分からないほど泣いていた。
お母さんの携帯電話に直接、お兄ちゃんから電話があり、みんな無事でいると聞けたそうだ。



お兄ちゃん。釜石市内で地震の直後、養護学校の生徒たちと一緒に避難。全員が難を逃れたものの、親御さんが亡くなった子供が多く、学校の寄宿舎で過ごすことにしたそうだ。先生たちは、何とか親御さんに連絡を取って迎えに来てもらったり、親御さんが居ない子供たちの世話をしたりしていたそうだ。当然、電気・ガス・水道は不通。携帯電話もすぐに充電が切れ、それからは子供たちのために動いていたとのこと。近くの病院で電気を借りて携帯電話を充電し、お母さんに連絡。今から、釜石から大船渡に車で向かうという。海岸沿いのいつものルートは土砂崩れや橋の崩落などで使えないため、旧道を使って遠回りをして向かうとのこと。時間は掛かるが、それしか方法はない。



お義姉さん。大船渡市内で、お兄ちゃん同様、養護学校で生徒たちと一緒に避難。一旦、自宅に戻ってチビたちの無事を確認後、チビたちを近くの自分の実家に預け、自分の学校ではない学校に移動して、今も生徒たちのお世話を続けているそうだ。



中学1年生のお姉ちゃんは、学校に居る時に地震。生徒全員無事。集団下校で家に着いた時に、一旦家に戻ったお義姉さんと一緒になり、無事を確認し合ったそうだ。
小学3年生の妹の方も、学校に居る時に地震。校庭に全員で避難して無事。親御さんが迎えに来た子供から下校になったが、両親がどちらも仕事中なので迎えが来ない。学校のすぐ近くにあるお義姉さんの実家。おばあちゃんがその様子に気付き、迎えに行ってくれたそうだ。
今はふたりとも、お義姉さん方のおじいちゃん、おばあちゃんと一緒に過ごしているとのこと。



これだけを説明するのに、お母さんとお父さんは交互に電話を取り合い、私に説明してくれた。泣きながら、笑いながら、とにかく安心した様子で話してくれた。
停電なので、話している間にどんどん部屋が暗くなってきたらしい。お父さんが 「暗くなってきたよ。あれ?ロウソクは?」 と言っているのが聞こえる。私と電話中だったお母さん、お父さんに向かって 「さっきまで心配で、仏壇のMさん(亡くなった義姉)に、何とかお願い!って話しかけてたから、仏壇のところにあるよ」 と答え、ふたりで笑っていた。
本当に、安心した。



あとはお兄ちゃんが、焦らず無事に釜石から大船渡に到着できますように。
そして、まだ安否不明な方々が、少しでも早く見付かりますように。