被災地からのメール

被災地でも電気や水道が復旧した場所が少しずつ増え、携帯電話の電波が入る場所も増えてきたようだ。
昨日の朝、地震発生以来、初めてお兄ちゃんからメールが届いた。 「アンテナが立ったから電話してみたけど、電話はやっぱり無理みたい。メールは届くかな?」 と書いてある。急いで返信した。 「来た、来たよー!いま、どこ?大船渡?釜石?」 と送ったところ 「やったー、届いた!大船渡にいるよ」 とのこと。どうやら大船渡市内でも、ドコモのメールが送受信できるようになったようだ。
そして今日、帰りの電車に乗ろうとした時、お義姉さんから電話があった。地震津波以来、一度も連絡がなかったので急いで電話に出た。風邪気味の鼻声だったが、元気だとのこと。声が聞けて安心した。お義姉さんの携帯電話もドコモ。 「お父さんの携帯電話は通話も出来るときもあるけど、私の方はうまく電波が入らなくて」 と言っていた。地震以来、養護学校に避難している生徒や親御さんたちのお世話のため泊り込み、ときどき家に帰ってくる、という毎日だそうだ。体にだけは気を付けて欲しい。



被災地にいる人たちとメールのやり取りをしていて、気付いたことがある。みんなが、感謝している。町の復興を信じて活動している。その言葉が力強く、とても優しい。もちろん、町の悲惨な状況も知らせてくれるが、同時に文中には、感謝の言葉や町のために活動する様子が書かれている。人は、こうも強いものだろうか、と思う。そのメールを、ここに記録しておくことにしよう。今日は宮古市編。



宮古市在住の従妹のメール抜粋
家を無くした人たち、病気や怪我をしている人の方が心配です。その人たちを思うと、(家が無事で)環境のいい自分たちが申し訳なくなるくらいだよ。
被災地以外でも、スーパーに品不足や燃料不足の状況で、他県からの援助や計画停電。感謝で胸がいっぱいだよ。おかげで心強くて、安心して、笑いもある中で過ごせているから大丈夫だよ。
関東も余震や計画停電と安心できない生活、そして不便で大変だろうけど、協力に感謝しているよ。心配してくれてありがとうね。



宮古市在住の従妹のメール抜粋
少しずつ電気、水道も復旧してきたよ。
少しずつ、少しずつ変化してきているよ。
全国的に不便を強いて援助もしてもらえているニュースに、有難く思っているよ。



宮古市在住の友人のメール抜粋
私も母も避難して、無事生きています!ご心配掛けてすみません。実家は津波に丸ごとのまれたけど。これから職場へ戻り、非常食対応をします。ライフラインが一切不通なので、このあとまた連絡がとれませんが、無事でいますので安心してください。ありがとう。



宮古市在住の友人のメール抜粋
いろんな状況を目にする度、命があって良かったと思います。
私はただ今、避難所の救護に入っていて、なかなか連絡ができなくてごめんなさい。これから先がどんなことになるのか検討もつかない状況で過ごしていますが、なんとか頑張っています。



宮古市在住の友人のメール抜粋
皆様にたくさん心配して頂いており、宮古には比較的、物資も届いている方のようです。
今はまだ避難所対応に追われており、復旧には手が付いていない感じですが、何とかしよう!という心意気が市民全体にあり、いい方向に進むようにしたいと思っています。皆さんの気持ちが有難いです。ありがとうございます。励みになります。健康に気を付けてくださいね。



被災地にいる家族も友人たちも 「食べ物も飲み物も生活物資も、今のところ足りているから大丈夫だよ」 という。足りないのはガソリンと灯油だそうだが、それは私個人ではどうすることもできない。
逆に電気が復旧して見られるようになったテレビで、商品が並ばないコンビニや買い溜めでカラになった陳列棚、ガソリン待ちの行列、計画停電による影響などを見て、申し訳ないと思っているという。
今は、世の中みんなが協力する時。ひとりひとりが、小さなことからコツコツと。