視線


この季節、毎年楽しみにしているのが、マンションの周りをぐるりと囲む植栽 「ドウダンツツジ」 。
この時期は白いスズランのような花をいっぱい咲かせ、秋になると葉を真っ赤に染め、私を楽しませてくれる。私の部屋の前に数メートル続くこの白く小さな花は、本当に可愛らしい。花持ちが良く、長く楽しめるのもイイ。私の腰ぐらいの高さにキレイに剪定されているので、いつも見下ろす形になる。緑と白の長い長いテーブルの前に立っているようだ。可愛らしい白い花はみんな、首を垂れて下を向いている。
先日、ふと思った。いつもこの下を通っている猫たちは、更に可愛らしく見える角度から、このドウダンツツジを見ているのかなぁ。
どれどれ、私も猫視線で見てみましょうかね。



ドウダンツツジの前で、出来るだけ体が低くなるようにギューッとしゃがんでみた。
うわぁ、お花の顔が全く違う!ブドウ狩りの時みたいな画だ。ぽこぽことして、可愛いらしいねぇ。
太陽の光で葉が透けて、これもまた美しい。葉の陰になった白い花は、更に白さを増しているようだ。


猫たちってば、いつもこんな景色を見ながら歩いていたんだね。
うー、うらやましいぞ!


この他にも、春になって会えた白い花がある。思わず見惚れてしまうほどの美しい白。
どの白も、私の足を止めた白。それぞれの、白い色。