マスキングテープと職人さん

仕事帰り、赤坂見附の駅ビル、bellevie赤坂に寄った。目的はなく、ただフラフラと。雑貨屋さんを覗いてみると、カメラグッズのコーナーが出来ていた。そっかぁ、カメラ女子が流行っているもんね。オシャレなフォトアルバムやカメピのコンデジケース、カメラ用ストラップなどが並ぶ。うー、どれも欲しい。。。でも、今月は節約月間と決めている。我慢、ガマン!
我慢、ガマン!と頭の中で繰り返しながらグッズを眺めていると、ガマン!という言葉がすっ飛んでしまうほどステキなものが目に入った。



それが、コレ。カメラデザインのマスキングテープ。何てステキ!
3種類の幅のテープが1セットになっていて、5〜6色あったかな。迷わず選んだのは、このピーコックブルー。あー、何度見てもイイわぁ。
マスキングテープをよく使う私。今も何種類か持っていて、家でも会社でも使っている。家では袋の口を留めたり、手紙の封をしたり、スケジュール帳の大事なところにアンダーラインのように貼ったり、会社では伝言メモを貼ったり、何かを一時的に固定するような時に使う。マスキングテープを切る時にはハサミを使わず、手で千切る。デザインとして使うときは別として、ラッピングの留めなどに使うときは、手で千切ったほうが味があって好きだ。ま、それがマスキングテープの良さなんだけど。
いちばん上の線路みたいなデザインは、フィルムだね。真ん中は銀塩カメラ。いちばん下の幅広には 「date」 の文字とフレーム2種類。この3つがあれば、オリジナルアルバム作りも楽しそうだ。オシャレなノートやスクラップ帳をアルバムにしてもいいね。
そして私は、買ってしまったのだった。ガマンが・・・。



こういうオシャレグッズとして出回っているカラフルなマスキングテープだが、もともとは塗装がはみ出さないように貼っている肌色の紙テープが、マスキングテープだよなぁ。そういう仕事をしている友人がよく、 「俺のマスキング技は世界一だ!」 と自慢していたっけ。
お母さんの実家は、左官屋さんだった。おじちゃんちや倉庫に行くと必ずどこか目に入るところに、肌色のマスキングテープがあった。子供の頃はそれがマスキングテープだとは知らなかったから、 「透明なテープの方がキレイなのに、おじちゃんちには何で肌色のテープばかりあるんだろう」 と思っていた。左官屋さんには絶対に必要な仕事道具だもんね。
おじちゃんちの倉庫、大好きだったなぁ。整理整頓されていて、全ての道具が同じ向きでキレイに並んでいて。日焼けした顔、塗装で汚れた職人服のおじちゃんたちだけど、道具を大切にする人たちだった。倉庫の裏には休憩所になっている部屋があり、休んだり、時にお酒を飲んだり、秘密基地みたいな部屋だった。あの倉庫の場所は、この間の津波に襲われたところだ。倉庫はいま、どうなっているのだろう。



昔々、私がまだ子供で景気が良かった時代には、よくおじちゃんの家に職人さんが大勢集まって酒盛りしていた。ふすまを外して3つの和室をひとつの広い部屋にし、座卓を繋げて長い長いテーブルにし、おばあちゃんやおばちゃん、うちのお母さん、お手伝いに来てくれた職人さんの奥さんたちは、台所でひたすらお料理や熱燗を作っては、運び続ける。
子供たちは脇にひとつ座卓を与えられ、食べたり遊んだり、大騒ぎ。職人さんたちから、お小遣いをもらうこともあった。酔っ払って私たち子供と一緒に遊んでくれる職人さんもいたなぁ。みんなみんな、うちのおじいちゃんやおばあちゃんのことを気遣ってくれる、心優しき酔っ払いたちだった。酒臭いのが嫌だったけど、あの酒盛りの場が大好きだった。
夜遅くなってくると、それぞれの職人さんの奥さんが車でお迎えに来て、台所チームは余ったお料理をタッパーに入れて持たせていたっけ。イイ時代だったなぁ。



そんなおじちゃんの娘、この日記にもよく出てくる仲良しの従妹は、あと2週間ぐらいで出産予定。ふたり目もどうやら、男の子らしい。前回は助産院で出産したが、今年は自宅出産するそうだ。
無事に出産できるよう、天国から見守っていてね、おじちゃん。