今年の七夕

今年の七夕、と言いながら、今日は7月9日。
日記を書かず、このページが止まっていても、一日一日、時間は正確に過ぎていく。過去のことは少しずつ遡って書き足していくことにして、今日からまた、日々を綴っていこう。大切な自分記録だから、ね。



東京の今年の七夕は、例年より静かだ。いつもの年なら、七夕の1週間ぐらい前から駅に大きな笹竹が準備され、自由に短冊に願い事を書いて吊るすことができる。仕事帰り、地下鉄の最寄駅でそれを吊るすのがいつもの楽しみだ。朝、駅で短冊を頂き、会社で同僚たちとワイワイ言いながら願いごとを書き、帰りに笹竹吊るして祈り、それぞれの家に帰る。
そんな毎年の行事が無くなり、ガッカリしていた私たち。大人になっても、こういうイベントは楽しいものだ。




七夕当日。仕事はお休み。暑い毎日で自分ケアをしていなかったので、1ヶ月ぶりにまつ毛のエクステを付けに行った。
お店のあるJRの駅で改札を出たところ、駅ビルの入り口前に、天井まで届く大きな大きな七夕飾りを発見!一緒に写っている人と比べると、その大きさが分かる。いやぁ、立派だなぁ。
エクステの予約時間も忘れ、暫くボヤーっと飾りを眺める。やっぱり、季節の行事っていいなぁ。
おっと、早くお店に行かないとっ!短冊をじっくり見るのは、帰りのお楽しみだね。


無事にエクステを付け、お目メもパッチリ!あー、テンション上がるわぁ。そのテンションで、駅の七夕飾りを見に行く。こんなにニヤけているのは私だけだ。
短冊は、近くの幼稚園児たちが書いたものが多かった。ご自由にどうぞ、の短冊は置かれていなかったので、予め書かれたものを持ち寄って飾ったのかな。こんな大きな七夕飾りなのに、てっぺんまで短冊がびっしりだもんね。
今年の私が選んだいちばんは、コレ! 「だんごむしに なれますように」 。幼稚園の男の子のお願いだった。字がキレイだから、先生が代わりに書いてくれたのかな。うふふ。そっかぁ、だんご虫になりたいのかぁ。どの辺りが憧れポイントなのかな。うふふ。
他にも、たくさんの子供たちのお願いを見た。大人には思いつかないようなお願いばかりだ。もちろん、私の顔はニヤニヤしっぱなし。
テンションが高い私は、ホームで 「たなばたさま」 を小声で歌いながら電車を待った。
小学生の頃のことを思い出しながら。



あれは4年生か5年生のときだったかな。学校で七夕笹飾りを作ることになり、おおきな笹竹が必要になった。うちの裏山には大きな竹林があったので、それを先生に言うと 「じゃぁ、お父さんにお願いしてもらえるかな」 と言われた。先生にお願いされたことが嬉しくて、家に帰ってお母さんに話した。すると 「何で、そんな大事なことを勝手に決めてくるの!うちの山じゃないのに!」 と叱られた。いつも遊んでいる山なので、それが誰のものかなんて、子供の私には関係ないもん。
夜、お父さんが帰ってきたので、お願いしてみた。うちのお父さんは、頼まれたことは断らない。できなくても、引き受けてしまう人だ。 「大丈夫、お父さんが山に行って切ってくるから」 と言ってくれた。 「もー、お父さんまで!」 とお母さんは呆れた。
お父さんは、どこから切ってきたのか、大きく立派な笹竹を学校に届けてくれた。先生も同級生も喜んでくれて、私は鼻高々だった。いま思えば、お父さんは大変だったんだろうなぁ。他人の笹竹を勝手に切ることはできないだろうからお願いしに行ったり、切り出したり、運ぶために大きな車を準備したり。有り難いなぁ。


ありがとうね、お父さん。