お礼状

今日、郵便が届いた。差出人は、岩手県立釜石祥雲支援学校。
大震災から二日後、停電が続くお母さんとのメールのやりとりの中で、携帯電話の車載式充電器が必要だと分かり、岩手に住む家族や親戚、友人たちに送った。送った先のひとつに、釜石支援学校があった。
家族の勤め先でもあるし、個人宅よりも学校の方が配達される可能性が少しでも高いと思ったからだ。先生たちは、各方面と連絡を取る必要もあると思ったことも、送った理由のひとつ。その後、被災地のガソリン不足が起こるなんてことも、その時は全く想像もしていなかった。あの時はただ 「無事に届いて!」 という思い、それだけだった。



手紙の最初には 「携帯電話の車載用充電器の支援のお礼」 とあった。私のためだけに書かれたことが分かる、丁寧な文章だった。
「あのときは、震災直後で停電が続いている最中でしたので、送っていただきました充電器を利用できる安心感は、職員にとっても励みとなりました」
「学校としましては、非常時の備品として今後も活用させていただきます。末永く活用させていただきます」
「本校では、4月18日に始業式、入学式を行い、早いもので4ヶ月が過ぎ、児童生徒も少しずつ落ち着きを取り戻しつつあります」
「7月27日からは例年より一週間遅れの夏季休業を迎える予定になっています」


夏休み直前の先生たちは、とても忙しい。学校にはきっと、たくさんの支援物資が届いただろうに、充電器ひとつを定形封筒に入れて送った私にまでわざわざお礼状をくださったことを、ありがたく思った。
支援学校(養護学校)の先生方は、とても優しい。
家族の同僚の先生方を知る度、いつも思っていた。そして今日、改めてそう思った。


今日から生徒さんたちは遅い夏休み。きっと8月中旬までの、短い夏休み。先生方は、生徒さんたちみたいにずっとお休みじゃないんだよね。震災後、ずっと全力で走り続けて来ただろうから、少しでもゆっくりできる時間が取れるといいなぁ。先生方にも充電を。