夏の匂い


苦手な季節の夏だけど、朝と夕方の独特の匂いは大好きだ。夏の間だけ感じることができる、特別な空気、特別な匂い。


朝の匂いは、夏休みの朝のラジオ体操を思い出させる。
集合時間よりも早く家を出て、木屑の山や街灯の下でカブトムシやクワガタムシを探していた時の、あの感じ。長い一日の始まりを感じる、透明な空気。


夕方の匂いは、友達と別れてひとり家に帰りながら 「一日が終わってしまうなぁ」 と思って寂しくなる、あの感じを思い出させる。
まだ残る昼のぬるい空気と、もうすぐやってくる夜の涼しい空気がお互いに遠慮しているような、そんな空気。


サッカーボールが転がる夕方の校庭を眺めながら、そんなことを考えたり。。。