びっくりしたなぁ、もうー!!

日曜日。お仕事。出勤人数は、平日よりも少ない。
12時。お昼時間。いつも若手が先にお昼に行くうちの部署。私は大体、13時半ぐらいからランチに入る。
今日もいつものように12時から若手たちがお昼に入った。うちの島には私と上司のふたりだけが残っていた。すると、調布のおじちゃんから携帯電話に着信。普段は自分のデスクで私用電話に出ることはないが、周りに殆ど人がいないしイイや!と思って出た。


「もしもし」 「今日は仕事か?」 「うん、どうしたの?」
「品川のおじちゃんと連絡が取れないんだよ。今日の仕事に来ないから会社の人が電話をしたけど出ないし、マンションに行ってインターホンを鳴らしても、応答がないんだって。心配で警察を呼んだんだけど、鍵が掛かっているから入れないんだって。警察からうちに鍵を持っていないか?って電話が来たんだけど、Lはおじちゃんちの鍵、持ってないか?」
「えっ!?大変じゃん!」


品川のおじちゃんは、お母さんと調布のおばちゃんの弟。60代で、マンションにひとり暮らし。血圧の薬ものんでいるし、真面目だから無断欠勤をするような人ではない。私は今の部屋に住む前、おじちゃんのマンションに住んでいた。おじちゃんが九州に転勤になったので、その間、私が住まわせてもらっていた。でも、鍵は返しちゃったもん。どうしよう!


最近、仕事で関わっているマンションで、孤独死が増えている。先月も、とあるマンションで、ひとり暮らしの男性が亡くなっていた。持病があったらしいが、部屋ではなく室内の玄関手前の廊下で倒れて亡くなっていたそうだ。外に助けを呼びに出たかったのだろうと思うと、切なくてたまらない。
ふと頭に、玄関手前の廊下で倒れているおじちゃんの姿が浮かんだ。仕事だったらテキパキと鍵屋さんとか警察とか親族とか各関係者に連絡をして対応するのだが、自分の身内となると焦ってしまってどうしたらいいか分からない。
「とにかく、私の方が品川に近い場所に居るから、いまから向かうから。何か分かったら連絡して」 と言って電話を切った。すぐに品川のおじちゃんの、家の電話と携帯電話に電話をしてみたが、やっぱり出ない。あー、どうしよう。


上司に事情を説明し、早退させてもらうことになった。今から向かうよ、と伝えようと調布の家に電話をした。おばちゃんは既に、涙声になっている。 「現場に行った警官からまだ、連絡がないの」 と言うおばちゃん。 「分かった、とにかく向かうから、着いたら連絡するね。警察の電話番号と、担当者の名前を教えて」 などと話していたところ、電話の後ろでおじちゃんの携帯電話の着信音がした。
「お前、どこに居るんだよー!!」 とおじちゃんの声。えっ!?もしかして、品川のおじちゃんからの電話? 「あー、品川のおじちゃんからの電話みたい。良かったぁ、生きてた!また電話するから、とりあえず切るね」 と泣きながらおばちゃんに電話を切られた。
何?何なに?何だって?
会社を出る準備も済んでいる私は、ひとり取り残された状態に。上司が 「どうした?無事だった?」 と聞くので、 「なんか、大丈夫そうです。仕事します」 と言った。そうとしか言えないもんね。
暫くすると、調布のおじちゃんから電話が掛かってきた。どうやら品川のおじちゃん、自分の出勤日を休みと勘違いしていて、外出してしまったらしい。携帯電話が鳴っていることに気付かず、結果、孤独死疑惑。。。
もー!寿命が縮まったよー!!こういうときって、悪い方へ、悪い方へと考えてしまうんだよね。でもホント、無事で良かったぁ。


そんなことがあった今日も、赤坂見附から新橋まで歩いて帰った。日曜日のこの辺りは、殆ど人が居ない。人が居ないのをいいことに、好きな歌を口ずさみながら歩いた。気持ち良かったぁ。日曜日の出勤も、悪くないね。

新橋駅の烏森口前に、大きな宝くじ売り場がある。あー、まだオータムジャンボを買ってないや。あ、その前に、お財布の中に入れっぱなしの東日本大震災復興宝くじも、番号確認してないや。ちょっと、見てもらおうかな。
宝くじを買っても自分で当選番号を確認することはしない私。いつも窓口の機械で調べてもらい、結果が表示されるモニターの、しかも 「高額当選」 の数字のところしか見ない。今日もそうしていたところ、高額当選は 「0(ゼロ)」 だった。ガッカリ。
すると窓口のお姉さん、 「おめでとうございます」 と言いながらトレイに1万円札を1枚とハズレ券置いた。
え!?1万円、当たった!?モニターを見ると、金額のところに 「10,000」 と出ている。
やったー!!久し振りの1万円!!この1万円は次回、岩手に帰ったときに地元に落とそうっと。


昼間は悪いことを考えてドキドキしたけど、夜は嬉しくてドキドキしちゃった。
今日は心臓に、いつもの何倍もお仕事させちゃったなぁ。すまぬ!