「たられば」 な二人

今日も相変わらず乾燥カピカピの東京。風もあり、気温以上に寒く感じる。
朝の通勤電車で偶然、隣駅に住む同僚女子が同じ車両に乗ってきた。北海道出身の彼女とは同じ北国出身ということもあり、私も札幌に住んでいたこともあるので、よく話をする。
「今朝は冬っぽい空気だねぇ」 なんて言いながら、一緒に出勤。平日よりも人が少ないオフィスは、エアコンの設定温度がいつもと同じでも寒く感じる。まぁ、バタバタ仕事をしているうちに 「暑い!」 ってなってくるんだけど、ね。



13時半をまわり、そろそろお昼ご飯にしようかな、と思っていたところで、携帯電話が鳴った。相手は、数軒隣にある料亭の女将さんだった。電話に出るなり 「ちょうどいま、お昼ご飯に行こうと思っていたの」 と言うと 「あらー、そうなの?ハワイにでも居るんじゃないかと思って電話したんだけど」 と言う女将さん。 「へっ?ハワイ?とにかく今からお店に行くね」 と言って電話を切った。


お店に入ると、女将さんが待っていた。週に何度もランチに行くお店なのに、お正月明けからは一度も顔を出していなかった。仕事が忙しくて、お昼の時間にご飯を食べに行くことができなかったからだ。
「明けましておめでとう!」 と言うと 「遅いわよー」 と女将さん。従業員のお姉さんとふたりで顔を見合わせながら 「あまりにもお店に来ないから、宝くじが当たってハワイにでも行ってるんじゃないかって噂をして、 『確かめてみよう!』 って電話したのよ」 だって。あはは!そういうことね。
田舎土産のお菓子を渡しながら 「ハワイなんて行ってないよー。ほら、田舎にしか行ってないってば」 と私。女将さんと1500円ずつ出して買ったジャンボ宝くじをお財布から出して見せ、 「ほらね、まだ当選番号の確認もしていないし」 と言った。 「私に預けていると、いつ確認しに行けるか分からないから、女将さんに渡すよ」 と言うと 「いいわよ、もう少し夢を見ましょう」 だって。


それから 「Lちゃんがお会計の時に1000円札じゃなくて宝くじを出したら、当たったってコトかしら」 とか、 「女将さんが、急に新しいベンツに乗ってお店に来たら当たったってコトね」 、 「あら、ベンツじゃなくてBMWもイイわね」 、 「私が夜に個室を予約したら危険かもよ」 などと笑いながら、お昼ご飯を頂いた。
10枚の宝くじが現金300円になってしまう前の、こういう時がいちばん楽しいのかもしれないね。
 

女将さん、今年も美味しいお昼ご飯、宜しくお願いします!