美術館と薔薇と

張り切ってチケットを取っておきながら、ギリギリまで忘れていることがよくある。チケットを手に入れたことで、安心しちゃうんだな。ライブだってイベントだって、数ヶ月前にチケットを手にするんだもん、忘れても仕方ないよねぇ。



今日も終了間際のチケットを手にしてのお出掛け。目指すは、三菱一号館美術館で開催中の 『KARAFGAMI Style』 。
ポスターを見付けた瞬間、 「うわー、観たい!」 とチケット即買い。開催期間が長いから、と思っていたら27日までだったので、慌てて出掛けた。
電車で向かっている途中で雷と大雨が襲ってきたので、交通会館で開催中の、銀座ワシントンのファミリーセールに寄り道。
予定外の出費だったけど、安く靴が買えたし、まぁイイか。


雨上がりのガリガリの日差しの中、有楽町から丸の内へテクテク。暑い!日傘、持って来れば良かったなぁ。
三菱一号館美術館は、2年前にオープン。明治期の建物を復元したそうだが、その忠実さには驚く。ノッポのビルだらけの街で、角地に建つその煉瓦色の姿は、とても目を引く。細かい地図なんて要らないね。


建物の裏手、素敵なお庭に面したところに、美術館の入り口がある。展示は3階から順に観て、1階で終わるようになっていた。
美術館なので写真を撮ることはできないが、本当に素晴らしい展示だった。日本の技術が世界で愛されているのが、とても分かりやすく展示されていた。
とにかく、その技術は素晴らしかった。この精巧さは、日本人ならではなのだろう。型紙のデザインは本当に繊細で、近くに寄って観ないと分からない。こんなにみんなが額縁に顔を近付けて眺める展示会って、ないだろうなぁ。
展示の途中に、10分ほどの型紙作りの上映があるのだが、あまりの細かい作業とその仕上がりの美しさに、鑑賞している人は皆、感嘆の息を吐き、頭を左右に振っていた。もちろん、私も。
わずか3センチの幅に、30本以上の切り込みを入れる職人さん。直径1ミリもないような丸を抜くために、道具を研き、ひとつひとつ穴を開けていく職人さん。小紋を染めるために、何度も染料を濾し、細かい作業工程を黙々とこなす職人さん。
素晴らしい!ただただ素晴らしい!日本人であることを誇りに思う、そんな映像だった。この後、京都と三重でも開催されるらしいが、多くの人が観てくれるといいな。



美術館の裏手、一号館広場は、緑がいっぱい。三菱一号館を設計したのが英国人ということもあり、広場にはバラがたくさん咲いていた。春咲きのバラは、今がちょうど見頃だね。本当は全景を撮りたかったのだが、お天気が良く、たくさんの人がいたため、カメラを向けることができなかった。残念。
バラの名前を知らないので、どれがどれだか分からないが、 『シャルル・ゲーター、ハー・マジェスティ、レディ・メアリー・フィッツウィリアム、キャプテン・ヘイワードなど、40種類のバラが植栽されている』 とのこと。今度行く時は、バラの名前を覚えてから行ったら、より楽しめるね。どのバラも、柔らかくてイイ香りだったなぁ。