やまなし

今朝、JR新橋駅構内にある旅行パンフレットのラックの中に 「やまなし」 と大きく平仮名で書かれたパンフレットを2冊、見付けた。当然、山梨県の観光案内だったのだが、思わず手に取った私の頭に浮かんでいたのは、宮沢賢治の童話 『やまなし』 だった。
そうだよねぇ、旅行パンフレットの棚だもんね。山梨県だよなぁ。あはは!おバカだねぇ、私。



「小さな谷川の底を写した、二枚の青い幻灯です」 で始まる童話、やまなし。自分が水の中の世界に居るような、不思議な気持ちになる大好きな短編童話だ。


花巻市にある宮沢賢治童話村は、大人も子供に戻ることができる場所。チビたちと何度か遊びに行った場所だ。チビたちが大きくなってからは行くことが少なくなったけれど、賢治の世界が表現された、楽しくて素敵な、特別な場所。
その童話村で、敷地に入るとすぐにあるのが、この石碑。 「どうだ、やっぱりやまなしだよ、よく熟している いい匂いだろう」 という、やまなしの一文が彫られている。後ろの木はヤマナシの木だって聞いたような気がするけど、詳しく覚えていないなぁ。


『やまなし』 という作品だが、やまなしが登場するのは最後のほんの少しだけ。なぜ賢治は、この作品を 『やまなし』 としたのか。この童話で、何を表現し、何を伝えたかったのか。
長い夜に、ゆっくり考えてみようかねぇ。