雨の朝

昨日から、秋。ン十年生きてきて経験上、 「季節は徐々に変わるもの」 と学んできたが、今年のように 「ハイ、今日から秋です」 ってな感じでいきなり季節がクルッと変わったのは初めてだ。 「いつになったら涼しくなるのかねぇ」 なんて言っていたのは、つい二日前だもの。何だかなぁ。地球の悲鳴がこんなところにも現れているのか、はたまたお空の方針でも変わったのか。


今朝は雨が降っていて、涼しいを通り越して寒いぐらいだった。タオルケット1枚で寝たのは失敗だったなぁ。
急に涼しくなると困るのが洋服。夏物以外はダンボールに入ったままだもんね。仕方なく、夏物を重ね着して仕事に向かった。



雨で、さすがの百日紅 (サルスベリ) の花も落ち、いつもは灰色一色の足元を飾ってくれていた。
都会の、土に帰ることができない花たちによる静かな演出。日曜日で誰にも見てもらえないのが残念だけど、おかげで私が独り占め。
傘を差し、長靴でピチャピチャ音を立てながら、散ってもなおキレイな花たちを眺めた。


以前も書いたかなぁ。昔、ある人が雑誌の記事で、こんなことを言っていた。 「都会の人が 『雨が好きだ』 と言っているのを聞いて不思議でならなかったが、自分も都会に出てきて、それが分かった。田舎にいる時は泥んこで、足元がぐちゃぐちゃで汚れるから雨が嫌いだったが、都会は道が舗装されているから、キラキラ光ってとてもキレイなのだ」 と。


今朝、通勤途中のこの風景で、この話をふと思い出した。確かにキラキラだ。でも、サルスベリは土に帰れないんだよ。どちらが幸せなのかなぁ。サルスベリも、私も。