食欲の秋、芸術の秋

今日、仕事は休み。でも、出掛けたのは会社のご近所の料亭。しかも、昼。なぜかというと・・・料亭のお座敷で、美味しいお料理をいただきながら講談を楽しむ会に参加するため。友達を誘ったら一緒に行く!というので、女将さんに 「ふたりでお邪魔しますね」 とお願いしておいた。
お座敷に集まったのは20人ぐらいかな。12時から1時間ほどお食事とお酒をいただき、その後に講談、という流れ。到着早々、ビールをいただいた。今日は仕事は休みだから、昼間からお酒を飲んでもいいんだよね。そうそう、前回は落語だったんだよね。講談は寄席で聴くぐらいで、しっかり講談だけを聴きに行った事はないから、楽しみ。



あー、今日のお料理も美味しかったぁ。
秋らしく秋刀魚や栗、銀杏もあるね。ちゃんと仕事がしてある銀杏、美味しかったなぁ。見た目も美しく、味も上品で、友達と 「美味しーい!」 を連発しながらいただいた。ウニの載った茶碗蒸しは冷たい茶碗蒸しで、蒸し暑い今日にはぴったり。
特に美味しかったのが、写真左下の炊き合せ。里芋と南瓜は、しっかり形があるのに、口に入れると滑らかに溶けるような食感。大根は真ん中がくり抜かれてつくねが詰められていた。とろとろのあんには黄色い菊の花びらが散らしてあり、とても鮮やか。


講談が始まる少し前、私の隣に料亭の社長さんが座り、みんなより遅いお食事を始めた。お行儀が悪かったが、炊き合せの器を差し、 「これ、すごく美味しかったです!」 と言ったところ 「食べてイイよ」 と私にくださった。 「わーい!」 と遠慮なくいただく私。
するとその後、女将さんも 「はい、食べて」 ともうひとつ、持ってきてくださった。 「わーい!」 とまたいただいた私を、友達が笑いながら見ていた。それほど美味しかったんだもん。この他に、きのこご飯や味噌汁もいただいて、お腹は限界まで膨れたよ。社長、女将さん、ありがとう!



こちらは、社長さんの同級生の方が持ち込みした焼酎 『六趣 (ろくしゅ) 』 。
何とこの焼酎、長いもの焼酎だそうだ。北海道でジャガイモの焼酎を飲んだことはあるが、長いもは初めて。一緒にいらしていた方が 「もらって飲んでみれば?」 と言ってくださったので、いただいてみた。
うーん、香りが強くて美味しい!アルコールは20度らしいが、それ以上に感じる。1杯だけ、と言ったクセに、もう1杯いただいてしまった。ビールを既に3杯飲んでいるのに。。。ごちそうさまです!



講釈師 神田きらりさん。美人さんだねぇ。
「講釈は 『タメ』 になる。落語は 『ダメ』 になる」 というらしいが、今日の講談では楽しみながら色んなことを教えてもらった。いつもは落語ばかりで 『ダメ』 側だもんなぁ。講談がいちばん盛んだったのは、江戸中期から後期だそうだ。テレビもない時代、 『釈場』 という講談のための寄席に通うのが娯楽だったそうだ。連続ドラマのように 「つづく」 というところで終わり、次の日にまたその続きを読んでいたらしい。リアルテレビドラマだね。
講談の前にそんなお話をたくさんしてくださったのだが、それがとても面白くて、いっぱい笑った!講談が初めての人にも楽しんでもらえるように、分かりやすく、面白く講談のことを教えてくださったんだよね。 「あははは!」 と笑ったり、 「ふーん」 と感心したり、の繰り返し。


釈台を張り扇で叩きながらリズム良く歴史の一場面を読むのが講釈。実際、釈台に本などは置かれていないが 『読む』 と言うそうだ。今日はお座敷だったのでとても距離が近く、もの凄い迫力。いちばん盛り上がるシーンでは、張り扇がバンバン鳴り、声の調子が盛り上がり、本当に感動した。良かったぁ。
終わってからいただいた名刺は、きらりさんのキリッとした写真入り。ありがとうございました!


美味しいお料理をいただき、お酒をいただき、講談まで聴かせてもらい、大満足の秋の一日だった。ふー、夜になってもお腹が苦しいわ。