十月桜

日曜出勤の日。平日はサラリーマンでいっぱいの赤坂見附だが、土日は人の数が少ない。
それでもニューオータニやエクセル東急、モントレなどのホテルがあり、結婚式やイベントも多いため、平日とは違う感じのオシャレをした人たちを見掛ける。いつも通りの格好でランチに出掛けると、ステキな老夫婦や着飾ったご夫人たちとすれ違い、 「あらら、こんな格好で歩いていいのかしら」 なんて思うこともある。



赤坂見附交番脇のフユザクラ。八重なので十月桜。二度咲きなので、この日記にも登場することが多い、この桜。先月ぐらいから一気に咲き始め、次々と小さな花を咲かせている。毎朝の、私の楽しみ。ただ、交番の脇に咲いているので、どうしても写真を撮るのをためらってしまう。


この間のランチタイムのこと。交番の死角にあるエクセル東急に向かう歩道橋で、 「人も少ないし、ちゃちゃっと撮っちゃおう!」 と、この写真を撮っていた。カメラの調子が悪いのでモタモタしながら写真を撮っていると、オシャレな格好のマダム4人組がホテルの方からやって来た。マダムたちは、 「あら、お花を撮っているのかしら」 「かわいらしいお花ね。何かしら」 と、私の後ろで立ち止まってしまった。ヤバイ!
「何かしらねぇ」 「桜かしら」 「でも、この時期よ」 なんて言っている。これは、私に何かを求めているのか!?
「えーっと、フユザクラです」 「あら、桜なの?」 「はい、そうみたいです。八重なので 『十月桜』 だと思います」 「あらー、桜ですって!」 
ここから、いろいろ聞かれたり、マダムたちの賑やかな会話を聞いたり、暫しガイドさん状態。ひと通り賑やかに話したり笑ったりして満足すると、マダムたちは赤坂の街へ消えて行った。ふーっ、豪邸のお手伝いさんって、こんな感じなのかしら。


見知らぬマダムたちと楽しくお話できたのも、この桜のおかげだね。ありがと。もうちょっとの間、楽しませてもらうね。