痛みも消えた夜

仕事が終わってから赤坂見附の交差点で、タクシーを拾った。六本木方面へ行きたかったので国道246線沿いで。
距離が近いから嫌がられるだろうなぁ、と思いながら 「六本木までお願いします」 と言うと、 「このまま進めばいいでしょうか」 と運転手さん。ん?ずーっと真っ直ぐ行って、一度左折したらもう、その先は目的地なのになぁ・・・と思っていると、運転手さんが言った。 「私、今日が三日目なので」 。
その短い言葉に、東北訛りがあった。 「そうですか。青山まで真っ直ぐ行って、左折する場所まで行ったら声を掛けますから」 と言うと 「はい、分かりました」 と丁寧に返事をしてくれた。 「どちらか遠くからいらしたんですか」 と聞いてみると、なんと運転手さん、 「はい、岩手です」 。 「そうですか!私もそうなんですよ。どちらですか」 「一関です」 。そこからはふたり、東北弁モードに切り替わり、短い距離ながら、いろんな話をした。楽しかったぁ。。。


気分良くミッドタウン前で、車を降りた。
今日は、仲間数人で集まることになっているが、お店の予約時間には少し早い。イルミネーションがキレイなミッドタウンで時間を潰そうとしたが、そこは故障中の身体。お店を見てまわることも、立ち止まってイルミネーションを見ることも厳しかったぁ!もう、自分の身体が嫌になる。館内のソファに座ってジンジンと痛む身体を休め、時間を待つしかなかった。もちろん、カメラを取り出して写真を撮る余裕も無く、残念!イルミネーション、すごくキレイだったのになぁ。


お店に到着したのは、私がいちばん最後だった。足腰が痛く、なかなか歩けなくって。。。
テーブルに向かうと、大好きな顔が迎えてくれた。福岡支店の同僚、ときどき一緒に飲みに行く元同僚、同じく転職して別の会社で働いている同僚と、今日はその奥さんとチビも。あー、ホッとする。。。
同じフロアーで仕事をしていた頃、私たちはいつも4人で飲みに行っていた。週の半分は彼らとの飲み。仕事中、誰かが煮詰まった顔をしていると、気付いた人が3人宛に 「今日、行く?」 とメールをしてくる。 「いいよ、何時?」 「どこ行く?」 と時間と店を決め、4人で集まっては飲みに行く。そんなことを繰り返していた。楽しかったなぁ、あの頃。
カラオケで騒いだり、よく行くお店の大将を交えてみんなで飲んだり、帰りの電車を乗り過ごして終点まで行ってしまったり、電車がなくなって朝までサウナで過ごしたり、結婚すると社長に報告しに行ったヤツが 「俺、社長に 『Lと結婚するのか?』 って言われたよ」 なんてコトもあったなぁ。



今日はその4人に、結婚報告で勘違いされたヤツの奥さんと3才のチビも加わり、同じように楽しく飲んだ。いろんな薬を飲んでいる私は、最初のビール一杯だけ付き合い、あとは烏龍茶だったけどね。
お互いの近況を話したり、思い出話をしたり、真面目に夢を語ったり、ふざけた話をしたり。自然と決まっている役割りもそのままで、会話も心地よい。その場の空気が、本当に心地よい。
飲みに参加できなかった人に電話を掛け、次々と電話リレーをして会話すのも、よくやったよね。 「●ちゃんに聞いてみよっか」 と言って、すぐ電話しちゃうんだもん。今日は大阪支店の同僚と、みんなで家に遊びに行った元同僚が被害者に。酔っ払いから電話が掛かってくるなんて迷惑だろうに、それでも全員が話したくて電話を回し、好きなことを言いまくる。コレ、被害者側になると、本当に迷惑なんだよねぇ。でも、自分たちが大好きな人にしか電話をしないので、相手もそれを理解して電話に付き合ってくれるんだよね。


チビとの遊びを満喫した私。座敷にベタ座りしていたのだが、足腰のジンジンが限界に近付いてきた。残念だったけど、みんなよりひと足お先に失礼した。本当はもっともっと一緒に楽しみたかったんだけどね。
福岡支店の同僚と握手をして別れ、タクシー拾い要員に立候補してくれた元同僚と一緒に店を出た。彼は、店を出てからタクシーを拾うまでずっと、足の心配をしてくれていた。
みんな、ありがとうね。全快したらまた、新年会で集まろうね。久し振りの寄り道は、最高に楽しかったよ。仲間ってイイなぁ、と心から感謝した、そんな素敵な夜。