小さな敵

夜、帰宅してすぐ、外に干していた洗濯物を取り込んだ。
虫が入らないよう、部屋の照明を消して真っ暗にしてから掃き出し窓を開け、洗濯物をバタバタ振ってから取り込むのはいつものこと・・・なんだけど、今日はカーテンが脇にあったゴルフバッグに絡んでしまい、それと格闘しながら洗濯物を取り込んだ。その間、窓は無防備に開放したまま。


嫌な予感。。。


部屋に戻って電気を点け、テレビの電源を入れたところで 「ブゥゥーン」 。あぁ・・・。
黒光りする憎いヤツかと思ったら、大きなハエが2匹、部屋に入り込んでいた。田舎に居る頃はハエが飛んでいても 「うるさいなぁ」 程度にしか思わず、ハエタタキを取り出してビシッ!と一発、だったが、ここ何年も訪問を受けたことがないことで免疫もなくなったのか、 「ひえぇぇぇ!」 という状態。
夏前だから、キンチョールだって、常備していない。さぁ、困った!


とりあえず何とかキッチン側に追い込み、室内扉を閉め、自分の居場所を確保。そして考える。さぁて、この後どうしよう。
ビシッ!っとやるのに良さそうな道具が見付からない。信頼しているキンチョールも無い。何か、シューッとできるものはないものか。はて。。。


で、目に入ったのが、ケープ。ヘアスタイルが崩れないようにシューッとやる、アレ。確かにシュー!だ。同じシュー!だもん、やってみるべ。
室内扉を開け、敵のいるキッチンへ移動。回しっ放しにしている換気扇の音だけが響いている。トルネードを利用しての外への脱出作戦をヤツが実行することを期待していたのだが、そんなことをするハズもなく・・・照明のスイッチを入れるとブゥゥーン!だって。はーっ。。。


ヤツをめがけてケープをシューッ!
イイ香りが広がる。かなり笑える画だなぁ。効くわけないじゃん。ん?ん?ヤツの高度が落ちた!イイ香りにやられたのか?んなわけないでしょ。しかし、確実に効いている。もひとつシューッ!
更に高度が落ちた。で、ケープのいたずらでフローリングの床が滑るようになり、家主は転びそうになる。何やってんだかなぁ、とひとり苦笑。で、もひとつシューッ!
ヤツの高度は更に落ち、玄関ドアに力なく引っ付いた。すぐにドアを開け、外へポイッ!
行き当たりばったりの有り得ない攻撃だったが、家主の勝利!


どうしてケープで?羽根が動かしづらくなるのかなぁ。明日はドラッグストアに寄ってキンチョールを買おう!と、ケープ片手に思う家主なのであった。
あ、あと一匹いたんだった。。。