どうなる!?

仕事を終え、駅ビルやらドラッグストアやらで買い物をし、両手いっぱいに荷物を持って帰ってきた。
マンションの共用廊下で、隣の部屋の前を通り過ぎようとしたとき、お隣さんのドアが開いて、人が出てきた。うわっ!


お隣の金髪兄ちゃんが退去したのは半年ぐらい前だったかなぁ。引っ越してきてから毎晩のようにアンプを繋いでベースを弾くため、私の周りでは 「ベンベベン」 と呼ばれていた兄ちゃん。他の部屋から苦情があったのか数ヶ月してベースは収まったが、友達をたくさん部屋に入れて朝まで宴会をしたり、女の子をとっかえひっかえ呼んでは大騒ぎをしたり、ステレオを大音量で鳴らしたり、目覚まし時計をセットしたまま留守にしてアラームを何時間も鳴らし続けたり、とにかくうるさくお騒がせ君だったベンベベン。
でも、たまに顔を会わせるときちんと挨拶をするし、分からないことがあると 「ちょっと聞いてもいいッスか」 と話しかけてきたり、何となく憎めない兄ちゃんだったんだよねぇ、ベンベベン。



そのベンベベンがやっと退去をしたあと、なぜだか次の入居者が決まらず空室のまま、今に至っているお隣。騒音もなくなって快適な毎日を過ごしていたが、ついに次の入居候補者が今夜、部屋の内見で来ていたところに遭遇したのだ。
やたら体格のいい男性が入居候補者、あとから出てきたスマートな男性が案内の不動産屋らしい。誰も居ないと思っている部屋のドアが開いて人が出てきたので、ビックリして立ち止まって見てしまったよ。不動産屋は案内の感触が良かったらしく、やたら笑顔で 「じゃ、ここから●●まで行ってみましょうか」 なんて近所のお店の名前を言っている。で、玄関ドアの鍵を開けようとしている私をチラ見しながら自分も玄関ドアに鍵をかけ、さっさと帰って行った。
おいおい、この場面ではまず、挨拶でしょっ!


部屋に入って、空気を入れ替えようと掃出し窓を開けて外を見ると、庭のドウダンツツジの先にはさっきの入居候補者と不動産屋が並んで立ち、外からマンションを眺めてる姿が。あー、やっぱりお隣に決めたのかなぁ。

隣人トラブルで殺人まで起こるような世の中だもん、どんな人が入居するのか気になるなぁ。次はベンベベンみたいにうるさい人や、逆に音に神経質な人じゃないといいなぁ。ベンベベンが退去してから、自由な毎日を過ごしていたからなぁ。
とりあえず明日からはまた、生活音に気を付けないと。