お金を拾う日

今朝、会社の最寄の地下鉄駅で改札を出たあと、地下通路を歩いていた。
前を歩いていた男性は、リュックサックを背中ではなく前に抱え、その中をごそごそ。何かを必死に探している様子だった。 「歩きながらじゃなくて、立ち止まってやればいいのに」 なんて思いながら後ろを歩いていると、男性の手元からヒラヒラと何かが舞い落ちた。 「レシートでも落ちたのかな」 とそれを見ながら通り過ぎたところ、 「ん?」 と目が止まった。目は止まったけど足は止めなかったので、振り返るような格好になり、それに目をやると・・・お札だ!千円札!


たぶん、お札じゃなかったら通り過ぎていただろうなぁ。
とっさに戻って千円札を拾い、差が開いてしまった男性を走って追いかけた。土曜日のゆとり出勤なのに、この私が走るなんて!お金の力ってすごいわぁ。男性の肩をトントンと叩き、 「これ・・・」 と1000円札を差し出した。ちゃんと伝えたかったが、走ってゼーゼーしていたので、 「これ・・・」 と言うのが精一杯だった。
知らない人に肩を叩かれ、千円札を差し出されたら・・・さぁ、あなたならどうする!怖いよねぇ、やっぱり。その男性も、落としたこと自体に気付いていないから、 「えっ!?」 と不思議そうな顔をして、やっと足を止めてくれた。 「あのー、さっき荷物を取り出したときに、落としましたよ」 と言うと初めて 「あー、すみません」 と笑ってくれた。
良かったぁ。ゼーゼー・・・。



仕事帰り、ドラッグストアに寄った。トイレットペーパーを手にレジ待ちの列へ。私の前にはふたりいて、3つあるレジが空くのを待っていた。と、真ん中のレジでお会計をしていたおばちゃんが、バラバラッと小銭を落としてしまった。足元をキョロキョロ見渡し、小銭を拾うおばちゃん。わたしの前に並んでいるふたりは、どのレジが空くか、ということで目も頭もいっぱいらしく、おばちゃんのことは見ていないらしい。
あー、おばちゃんの後ろに1円が落ちているのに。教えてあげたいが、おばちゃんまでは距離があって声を掛けづらい。
おばちゃんが小銭を拾ったり商品を受け取ったりしている間に、前のふたりは空いたレジへ。やっとおばちゃんに近付いた!おばちゃんは既に買った商品を手に、カウンターを離れようとしていた。 「あのー、1円落ちてますよ」 と1円玉を指差しながら声を掛けると、 「あらー、ありがとう」 と言って、おばちゃんは無事、1円玉を拾った。
良かった、ヨカッタ。


仕事でちょっとモヤモヤしたことがあった日だったけど、お金を落とした人に二度も声を掛けることができたし、帰り道では電車の乗り方を聞かれて教えることができたし、結果、イイ日だったかな。