痛い損

休日。ムシムシ、ジメジメ絶好調。こんな日は、用事がなければエアコンをつけた部屋でのんびりするところだが、午後から夜まで予定が入っている。涼しい部屋を飛び出し、南青山へ。


とあるきっかけで知り合った、同じ高校出身の女の子。田舎の食材を使った商品を東京で販売し始めて1年。販路を広げたいという相談を受けたのは先月のこと。私には良いアドバイスはできないけれど、イイ人がいるから紹介するよ!ということで、起業している友人ふたりと会ってもらうことになった。今日の私は、付き人。
ひとりの事務所が南青山にあるため、そこに4人が集合。友人、といってもふたりとも元同僚、というか先輩。大好きな先輩ふたりと、同郷の女の子が知り合い、そこからいろんな意見が出る。イイなぁ。思わず私も口が開いてしまう。
みんながその商品のコトを真剣に考え、いろんなアイディアが生まれる。本当に楽しい空間だった。今日のアドバイスを受けて、うまく事業が軌道に乗るといいね。



今日はそのまま、野球観戦で東京ドームへ。もともと、さっき会った先輩のひとりと行く予定だったが急用ができてしまったので、同郷女子とふたりで観戦することになった。
打ち合わせが盛り上がったため既に試合が始まっているところで、やっとドームへ。今日の試合は、来場者全員にユニフォームがプレゼントされる日。私たちもユニフォームをもらい、席に着いた。ホームランが5本も出て、観ていて面白い試合だった。


ビール片手に観ていた、とある回の表。横浜の選手が打ったファールボールが、こちらの方に飛んできた。今日の席は、外野に近い内野席。ボールを見つめるたくさんの目。
おー、来た来た。こっち方面に来るね。うーん、近い近い。ん?うちらの後ろぐらいまで飛ぶか?いや、落ちてる、落ちてる。落ちて来た。こっちに来る。っつーか、来たぁぁぁーっ!
そう思った瞬間、ボールは私の肉厚のお腹にガツっと当たり、持っていたコップからビールがこぼれ、弾んだボールは隣の同郷女子に軽く当たって弾み、私がお腹をさすっている間に、斜め前の女性の手中に収まった。


思わず 「痛っ・・・」 と言いながらお腹をさすったものの球速は落ちていたので、何ともなかった。こぼれたビールを首からさげたタオルで拭き拭きしていると、ボールを追ってきたドームの係りのお姉さんが 「大丈夫ですか?」 と聞いてきた。 「はい、大丈夫です」 「飲み物は?」 「ちょっとこぼれただけなので大丈夫です」 「もし痛くなったら声を掛けてくださいね」 「はい、ありがとうございます」
そんなやりとりの間、私の視線は、斜め前の女性の手に握られたボールに集中。あのボール、もらえるんだよねぇ。視線が気になったのか、気が引けたのか、その女性も 「大丈夫ですか?」 と声を掛けてくれた。 「はい、大丈夫です」 と言ったが、やっぱり視線はボールに・・・。


こりゃぁ、痛い損だな。思わず顔を見合わせて笑ってしまう私たち。肉厚のお腹で良かったぁ、なんて思ったのは初めてだわ。ま、笑いネタがひとつ増えたと思えばイイか。


・・・ということで、ここに記録。