秋、体感


涼しい夜。同僚との仕事帰り。
会社から駅に向かう道に、50年続く洋食屋さんがある。周りから取り残されたような、昭和の香りいっぱいのお店。
このお店のエアコン室外機は通りに向かってブワーッと風を吹かせているので、夏はこの前を通ると、調理場のニオイが混じった熱風を一瞬だけだが浴びることになる。歩きながら 「来るぞ、来るぞ、来たー!」 ってな感じで、心して通らねばならない、魔の2秒間。


ところが今日、その前を通ったところ、いつもの熱風が・・・無い!
一緒に歩く同僚に 「あれ?いま、熱風こなかったよね」 と言うと 「あれ?そういえば、無かったかも」
「秋だねぇ」 「そうだねぇ、秋が来たねぇ」
「こんなことで、秋を感じるなんてねぇ」 「・・・ねぇ」 「あはははっ!」


ひつじ雲を見なくても、真っ赤な紅葉を見なくても、こんなことで秋を感じることができるってコトで。