茶房 野の花

今日は銀座で、妊婦の友達Mちゃんと懐妊祝い。ずっとMちゃんのつわりが酷くて会えないでいたが、やっと落ち着いてきたということで、延び延びになっていたお祝いをしよう!ということになった。妊娠5ヶ月になったMちゃんのお腹は少し出ているものの小さめで、ほとんど目立たない。むしろ、私のお腹の方がMちゃんより出ている。何ということだ。。。


松屋銀座で待ち合わせをし、とりあえずお昼ご飯を食べることになった。
つわりは弱まったとはいえ、まだ油っこいものは厳しいということなので、銀座コアB2にある和食屋さんへ。

「銀座いらか」 の 「花ごよみ」 2,100円。
この値段で、三段重にかやくご飯、お吸い物、漬物がセットになっていて食べ応え充分。
いらかは関西料理のお店ということなので、味付けは全体的に薄味。どれも体に優しい味だ。
三段重は、お刺身の重、焼き物や酢の物などの重、野菜の炊き合わせの重になっており、目でも楽しめる彩りになっている。
予約をすれば個室を用意して頂けるので、ちょっとした集まりに使えるお店だ。


食事のあと、お茶をしよう!ということになり、松屋銀座の裏にある、茶房 「野の花」 へ向かう。


日曜午後の銀座中央通りは歩行者天国
雨が降るまでにはまだまだ時間がかかりそうな銀座は、ものすごい数の人出だ。
カメラを持った外国人観光客も多く、通りの写真を何枚も撮っている。
山野楽器の入り口上には、Fenderの赤いフラッグが揺れていた。
遠くからでも目立っていたフェンダーフラッグに思わず、私も写真を撮った。
隣で同じように写真を撮っていた外国人観光客に微笑み掛けられた。
こういう時にいつも 「英語が話せたらなぁ」 と思うのだが、行動に移さない怠け者。


松屋銀座の裏通り沿いにある、落ち着いた静かな茶房が 「野の花」。
1Fは 「野の花 司」 という野花や山野草を売っている店。
素朴な野に咲く花や緑を扱っていて、その懐かしさに思わず歩を止める人で店の前はいっぱいだ。
司では野の花教室をやっており、コースの種類もたくさんある。
建物脇の専用階段を上ると、そこには銀座の中央通りの賑やかさとは全く違う、静かな空間が広がっている。


ふたり掛けのテーブルが3〜4席、8人掛けの大テーブルがひとつの小さな茶房。私たちは大テーブルのコーナーを挟んで座った。
席に着いて最初に出されたのが、黒豆のお茶。炒った黒豆にお湯を注いだお茶で、豆の甘みがよく出ている。
「色が変わったら召し上がってください」 と言われる。始めは透明だったお湯が、黒豆の色で赤紫色に変わっていく。
とても静かな時間。お茶の色が濃さを増していくのと一緒に、心も静かになっていく。
豆が大好きな私たちは、最後にこの黒豆まで頂いてしまった。


生菓子(空也)とお煎茶、950円。
生菓子は何種類かある中からひとつ選ぶことができ、お茶も抹茶か煎茶のどちらかを選ぶことができる。
私が選んだ生菓子は、和三盆を使った和菓子。ほどよい甘さに煎茶が合う。
お店の方がお湯を2回持ってきてくださったので、3杯のお茶を頂いた。
ゆったり流れる時間のなかで、Mちゃんのお腹のあかちゃんについて色々と話した。
ほんわかした、幸せな時間だった。


黒いゴツゴツした大テーブルを優しく見せるのは、可愛らしい鶏の形をした花器に活けられた素朴な野花。
店内には、あちらこちらに野花や山野草の緑が飾られている。
派手な活け花ではなく、小さな花器に一輪だけの静かな生け花。
立派な黒い梁が剥き出しになった店内を、これらがやわらかくしている。素敵だなぁ。
いつ来ても、ガヤガヤうるさいお客さんはいないし、お店の方も静かな対応をしているので、買い物途中にひとりで休憩したいときには最高のお店だ。

今日は、7月のGRAPEVINE野音ライブのチケットをMちゃんに渡した。
私は手術が無事に終わり、Mちゃんはまだ残っているつわりが落ち着いていればいいね、と言って別れた。
お腹の中に、まったく逆のものをそれぞれ抱えているんだな、私たち。
そう思いながら銀座駅の改札で手を振り、Mちゃんの膨らんだお腹を見ながらまた、ちょっと可笑しくなった。


茶房 野の花   月曜〜土曜 AM11時〜PM7時、日曜・祭日 AM11時半〜PM6時

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